池上通信機裁判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 01:30 UTC 版)
アーケード版『ドンキーコング』のプログラミングを委託された池上通信機は、1983年7月20日、著作権侵害を理由に任天堂に対する賠償請求を東京地方裁判所に申し立てた。池上通信機に無断での、任天堂による『ドンキーコング』基板の複製に対する契約不履行が、著作権侵害の理由であった。 この訴えに先立ち、同年6月27日に任天堂はゲームデザイン本体は任天堂社員によるものである事と、契約履行後の池上通信機の請求権不在を理由に任天堂も東京地方裁判所に訴えを起こしていた。 この裁判は判決が下されないまま、両者の和解で決着した。 任天堂に引き渡されたROMデータの中には池上通信機の社名・電話番号などが隠されている。ソースリストは任天堂に渡されていなかった為、続編の『ドンキーコングJR.』を開発する際には任天堂自身で逆アセンブルなどの解析を行うはめになった。 なお、本事件後、池上通信機はセガと契約しゲーム開発を続行することとなる。その中のひとつに、本作に類似した『ティップタップ』(1983年、英名:『Congo Bongo』)があり、クオータービューを採用して立体感を出すなど、ある意味では本作の正統な進化形と捉えることができ、画面構成や面数の表示方法などで池上通信機テイストが継承されている。
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