江戸時代-三井両替店
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 14:50 UTC 版)
1694年(元禄7年)設立のイングランド銀行に先んずること11年、三井家が江戸駿河町に越後屋三井両替店を創業したのは1683年(天和3年)である。当時、大きな呉服屋には為替送金の便宜などから両替業を兼営するものが少なくなかった。越後屋三井呉服店が盛大になるに伴い、上方への送金も多額にのぼり、そのために両替屋へ支払う手数料も増加した。更に当時の貨幣制度のもとでは、金銀銭の三貨が日々の相場をもって流通しており、貨幣の取り扱いも煩雑で両替屋の手をわずらわすことが多くなった。呉服店の駿河町移転を期として両替店を創立したのは、兼業体制を明確化することによって、この弱点を是正するためであった。こうして三井両替店は越後屋のための補助機関として発足したのであった。1686年(貞享3年)三井高利が京都において全事業を統括する必要から、京都両替店を開設した。呉服店の補助機関として設けられた両替店が飛躍的に発展したのは1691年(元禄4年)、幕府の大阪御金蔵銀御為替御用を務めてからである。すなわち、幕府が大阪で御金蔵の金銀を両替商に渡し、両替商は大阪の問屋から江戸向け逆為替を買い、この為替手形を江戸へ送り、江戸の問屋から代金を取り立て、これを幕府に上納するというのが御為替御用の仕組みであった。またこのときに同族企業組織の採用を行い、大元方の創立と「宗竺遺書」と呼ばれる家憲の制定を行った。
※この「江戸時代-三井両替店」の解説は、「三井銀行」の解説の一部です。
「江戸時代-三井両替店」を含む「三井銀行」の記事については、「三井銀行」の概要を参照ください。
- 江戸時代-三井両替店のページへのリンク