殿始めとは? わかりやすく解説

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との‐はじめ【殿始め】

読み方:とのはじめ

女性がはじめて男性と床をともにすること。

みづからは—」〈浄・烏帽子折


姫始め

(殿始め から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/02 08:11 UTC 版)

姫始め(ひめはじめ)とは、頒暦正月に記された暦注の一。

概要

1月2日行事であるが、由来は諸説あってはっきりしておらず、本来は何をする行事であったのかもわかっていない。正月に軟らかく炊いた(=姫飯〈ひめいい〉)を食べ始める日とも、「飛馬始め」での乗り初めの日とも、「姫糊始め」の意で洗濯や洗い張りを始める日ともいわれる。現代一般には、その年になって初めて夫妻などが性交することと認識されている。

これはかつての仮名暦の正月の初めに「ひめはじめ」とあったのが、その解釈をめぐって多くの説が生じたものである。真名暦には「火水始」とあった。卜部家の秘説があるといわれた。

諸説

最も有力な説は、正月の強飯(こわいい。蒸した固い。別名「おこわ」)から、初めて姫飯(ひめいい。柔らかい飯)を食べる日というものである。昔は、の間には強飯を食べ、祭が終わると姫飯を食べていた。

『和名抄』(『和名類聚抄』)では「糄𥻨」をヒメと訓じ、「非米非粥之義」(は返り点)と注されているから、飯のことであると解されている。上代の飯は強飯で(上述)、姫飯はより水分の多いやわらかなものであるが、一方で、粥はシルカユと訓むから、糄「米索」はそれよりも濃い粥であるという。一説に、「非米」の音でヒメという、という。『資益王記』[1]に、正月1日の諸社遙拝のあとに、次看経、次御コワ、次比目始とあるのが、すなわちこれであり、『春曙抄』に「飯の類なり、米は蓬莱台に始り、粥は七種に始まる。飯の始もまたあるべし、何ぞ馬乗始ありて飛馬始あらんや」といい、『東牖子』[2]に「いづれ暦の糄「米索」始は粥のくひはじめなるべし、元旦雑煮を食し初めて、而して後にひめはじめあり」といい、後世の姫糊(ひめのり)にいうヒメも同じであるという。

また、藤原彦麿の随筆『傍廂[3]』(片ひさし)1巻[4]には、

「故師伊勢貞丈大人の云く、初春のひめはじめは、諸説まちまちなれど、皆とるに足らず、むかしより世俗のいひ来れる男女交合の始なり」
「親子兄弟の中にては、つつましさにさともえいはぬは、好色淫奔の心を恥づればなるべし、さる故に小ざかしき人は糄𥻨始なりといへり、和名抄に糄𥻨比女とあるは、衣につくる糊なり、誤りて食物と思へり、よしや常の飯にしても毎日くへば、何ぞ其始をいふべき、さればひめはじめは糄𥻨にも姫にも飛馬にもかかはる事にあらず」[5]

とある。その伊勢貞丈は『安斉随筆』で、姫はじめに関する後人の諸説は「みな出所なき推量なり」としているから、事実ははやくにすたれ、暦の上にのみ残ったものであるとされる。

その他諸説一覧

  • 姫飯(ひめいい)始め - 正月に初めて炊く軟らかめの飯。
  • 飛馬(ひめ)始め - 乗馬初めの日。『梁塵秘抄』の用字であるといい、しかし別に「馬乗始」があるから当たらないとしりぞけられる。
  • 火水(ひめ)始め - を初めて使う日。
  • 女伎(ひめ)始め - 衣服を縫い始める日。
  • 秘め始め - 夫婦が初めて秘め事をする日。
  • 姫糊始め - 女性が洗濯・張物を始める日。
  • 日見始め - 『理斉随筆』の説。

脚注

  1. ^ 資益王記 / 白川資益 撰早稲田大学図書館古典籍総合データベース
  2. ^ 東牖子 - Google ブックス
  3. ^ 傍廂 巻之1-3 藤原彦麿 随筆:早稲田大学図書館古典籍総合データベース
  4. ^ 傍廂 1巻:早稲田大学図書館古典籍総合データベース
  5. ^ 該当記述:早稲田大学図書館古典籍総合データベース

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