武渟川別命とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 武渟川別命の意味・解説 

たけぬなかわわけ‐の‐みこと〔たけぬなかはわけ‐〕【武渟川別命/建沼河別命】

読み方:たけぬなかわわけのみこと

孝元天皇皇子大彦命(おおびこのみこと)の御子日本書紀によれば崇神天皇四道将軍一人伝えられる阿部臣(あべのおみ)らの祖。


武渟川別

(武渟川別命 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/08 19:47 UTC 版)

 
武渟川別命
時代 古墳時代
生誕 不明
死没 不明
別名 武渟川別、武渟河別、建沼河別命、建沼河別、建沼河命、武沼河別命
官位 大夫
主君 崇神天皇垂仁天皇
氏族 阿倍臣等祖
父母 父:大彦命[1]
兄弟 御間城姫命[1]
豊韓別命[2]、大屋田子命
テンプレートを表示
歌川国芳『日本百将伝』より武渟川別の想像図

武渟川別(たけぬなかわわけ、生没年不詳)は、記紀等に伝わる古墳時代皇族

日本書紀』では「武渟川別」「武渟河別」、『古事記』では「建沼河別命(たけぬなかわわけのみこと)」と表記される。

第8代孝元天皇皇子大彦命の子で、阿倍臣(阿倍氏)の祖。四道将軍の1人として東海に派遣されたほか、垂仁天皇朝では五大夫の1人に数えられる。

記録

日本書紀』に基づく関係系図

7 孝霊天皇
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
8 孝元天皇 吉備津彦命
[西道]
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
9 開化天皇 大彦命
[北陸]
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
10 崇神天皇
 
 
御間城姫 武渟川別
[東海]
 
 
 
 
 
 
 
丹波道主命
(丹波)
11 垂仁天皇

日本書紀』崇神天皇10年9月9日条では武渟川別を東海に派遣するとあり、同書では北陸に派遣された大彦命西道に派遣された吉備津彦命丹波に派遣された丹波道主命とともに「四道将軍」と総称されている[3]。その後、将軍らは崇神天皇10年10月22日に出発し、崇神天皇11年4月28日に平定を報告した。

また同書崇神天皇60年7月14日条によると、天皇の命により武渟川別は吉備津彦と共に出雲振根を誅殺している[3]。垂仁天皇25年2月8日条では、彦国葺和珥臣祖)・大鹿島中臣連祖)・十千根物部連祖)・武日大伴連祖)らとともに「大夫(まえつきみ)」の1人に数えられており、天皇から神祇祭祀のことを命じられている[3]

一方『古事記』では、四道将軍としての4人の派遣ではないが、やはり崇神天皇の時に大毘古命(大彦命)は高志道に、建沼河別命は東方十二道に派遣されたとする。そして大毘古命と建沼河別命が出会った地が「相津」(現・福島県会津)と名付けられた、と地名起源説話を伝える。

後裔氏族

武渟川別について、『日本書紀』では「阿倍臣遠祖」、『古事記』では「阿倍臣等の祖」として、いずれも阿倍氏の祖であるとしている。

また『新撰姓氏録』には、次の氏族が後裔として記載されている。

  • 左京皇別 竹田臣 - 阿倍朝臣同祖。大彦命男の武渟川別命の後[3]

そのほか『先代旧事本紀』「国造本紀」では、那須国造栃木県北東部を支配)について「建沼河命の孫の大臣命」に始まると記されているが、この「建沼河命」は武渟川別に比定される[4]

考証

武渟川別が派遣された「東方十二道」は会津に至るまでの12ヶ国を意味するが、これは後世の国制を反映したものと見られる[5]。この武渟川別を含む四道将軍の史実性の評価には諸説がある。詳しくは「四道将軍」を参照。

脚注

  1. ^ a b 『日本書紀』
  2. ^ 『本朝皇胤紹運録』
  3. ^ a b c d 武渟川別(古代氏族) & 2010年.
  4. ^ 「那須国」『国史大辞典』 吉川弘文館
  5. ^ 宝賀 & 2013年, p. 38-59.

参考文献

関連項目



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「武渟川別命」の関連用語

武渟川別命のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



武渟川別命のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの武渟川別 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS