正錐
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 05:45 UTC 版)
「順序群#定義」、「順序線型空間#正錐(英語版)」、および「順序体#定義」も参照 抽象代数学の言葉では、正の数の全体 P は実数全体 ℝ の正錐(英語版)と呼ばれる対象を成す。これにより ℝ は加法に関して順序群、加法と乗法に関して順序体と呼ばれる構造を持ち、また逆に、順序群や順序体としての ℝ の正錐 P が与えられれば「正の数とは P の任意の元のことである」と述べることができる。 xy-平面 ℝ2 の第一象限(英語版)や xyz-空間 ℝ3 の x > 0, y > 0, z > 0 なる八分象限(英語版) などが順序線型空間としての正錐の例であり、この構造に「錐」の名称がつけられている理由をみることができる。 これらのような順序構造において、正錐はそれぞれの付加構造によって記述できる良い性質を様々に持つ。 函数解析学における正作用素全体の成す凸錐もまたそのような例であり、より抽象的にバナッハ環、C*-環における正の元(英語版)などが考察の対象となる。
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