正典の成立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/13 00:26 UTC 版)
「共観福音書の問題」を参照 福音書の最古はマルコによる福音書とされ、マタイ福音書とルカによる福音書は70年代にパレスチナと小アジアで成立したとみなされている。ヨハネ福音書やユダヤ教の系譜にあるヨハネの黙示録などは90年代に成立した。ほか、20世紀になって発見されたナグ・ハマディ写本や、ユダだけにイエスが秘儀を語ったというユダの福音書などがあり、こうした外典では正典とは異なる世界が展開している。 2世紀半ばまでは正典も正統信仰も固まっていなかったが、ローマ教会が中心となって使徒教父のユスティノスや、マルキオンを反駁したルグドゥノム司教エイレナイオスらが正典を確立していった。2世紀末のカルタゴのテルトゥリアヌスは旧約・新約の呼称を用いて、二つの文書を一つの聖典とした。ほかにタティアノス、アレクサンドリアのクレメンス、オリゲネスらがおり、こうした正典化については、200年ごろに成立したムラトリ正典目録で実証される。こうした西方教会の正典化は、4世紀になってアタナシオスを介して東方で完成した。
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