機器区画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/26 03:45 UTC 版)
ジェミニには軌道姿勢制御システムが搭載されていた。このシステムは16基の噴射機から構成されており、マーキュリーと同様にヨー・ピッチ・ロールの姿勢制御をするとともに、直行するすべての3軸 (前進・後退、左移動・右移動、上昇・下降) への平行移動の制御を可能にした。平行移動の能力を得たことにより、他の衛星とのランデブーやアジェナ標的機とのドッキングの際に必要になる、軌道傾斜角や高度の変更が可能になった。またアジェナ衛星のロケットエンジンを使用することにより、さらに大きな軌道変更ができるようになった。 電力は初期の短期間の飛行では通常の電池から供給されたが、後期の長期間の飛行では有人宇宙船としては初めて燃料電池が使用された。 ジェミニの後期の飛行は、アポロの飛行が開始されるほんの1年ほど前に行われたため、いくつかの点においてはアポロよりも優れていた。機体の設計に関しては、どんな小さな部分もグリソム飛行士の影響でジェット戦闘機のような特徴を取り入れていたため、「パイロットのための宇宙船」として知られるようになった。またアメリカの有人宇宙飛行計画が、長期間の飛行・ランデブー・船外活動の能力において明らかにソ連を凌駕しはじめたのはこの時期であった。この間、ソ連は人間を月に送ることを目指してソユーズ宇宙船を開発していたが、政治的あるいは技術的な問題が立ちはだかったことにより、有人月飛行計画は最終的に放棄された。
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