樹木の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 15:48 UTC 版)
呼吸根として知られる構造の一つは、湿地性の樹木に見られるものである。上記のように水湿地では深くまで根がはいることは呼吸の難しさのために困難であるが、樹木である限りはある程度以上はしっかりと根を張って体を支えなければならない。そのため、根は地中浅くを横に伸び、所々で地表に顔を出すのが呼吸根である。 マングローブ植物には呼吸根をもつ植物が多い。形は種によってさまざまである。 オヒルギでは、地中を横にはう根の所々が地表に盛り上がるように顔を出してはまた潜り込む、という形のものを作る。膝を立てたところに似ていることからこれを膝根(しっこん)という。これには根の一部が盛り上がって顔を出す直立膝根と、根そのものが曲がって顔を出し、その部分が盛り上がる屈曲膝根がある。 ヒルギダマシやマヤプシキでは、やはり地中を横に走る根から直立する突起状のものが地表から突き出る。これを直立根と言う。 ヤエヤマヒルギでは、幹の根元より上から側面に根を出し、これが枝分かれしながら地中に向かう。その姿から支柱根と言う。同様のものはタコノキなどにも見られるが、ヤエヤマヒルギの場合は呼吸根の役割をかねていると見られる。 メヒルギやホウガンヒルギでは、根の一部が板状に顔を出し、板根と呼ばれる。 淡水の湿地ではヌマスギが直立膝根をもつ。 これらの呼吸根は樹木なので堅く、その表面は樹皮に被われているが、多数の皮目が見られることが多い。
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