横歩取り5二玉型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 05:05 UTC 版)
横歩取りでは昭和時代には玉を5二(先手では5八)に据える中住まいがの形が多く指されていたが、より優秀な中原囲いの普及やそれと組み合わせた8五飛戦法においては、玉を4一に据えることが多くなってきた。しかし先手に新山崎流という有力な対策が現れ、8五飛戦法は一時衰退していた。 実戦で8五飛戦法に△5二玉の形を組み合わせた形を初めてみせたのは平成13年の内藤國雄であり、またその後桐山清澄が時折見せていたが、流行には至らなかった。 しかし平成22年、松尾歩が独自の工夫を凝らし8五飛戦法を中興した。先手に新山崎流により3筋を攻められた時に、玉が△4一ではなく△5二であれば、一手「早逃げ」していて8五飛戦法側に有利。その後多くの棋士の研究により、大流行に至った(ただし飛車は8五でなく8四に引くのが主流となっている)。 松尾はその後、第20回升田幸三賞を受賞している。この形は後手の3二金が浮き駒(どの駒の利きも利いておらずタダで取られる状態)になっているという弱点もあり、1筋への端攻めに脆弱となっている。2014年6月現在この形は大いに流行しているとされ、公式戦の600局以上で採用されている。
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