構造決定法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 04:23 UTC 版)
蛋白質構造データバンクで得られるタンパク質の構造のうちおよそ90%のものはX線結晶構造解析によって決定された。この方法では結晶状態のタンパク質の三次元的な電子密度分布を測定することができ、ある程度の分解能で全ての原子の三次元配置を推定することができる。既知のタンパク質構造のおよそ9%は核磁気共鳴分光法に由来するものであり、この方法でもタンパク質の二次構造が測定される。またこの他に、円偏光二色性やその他の方法でも高精度で予測される。近年では低温電子顕微鏡も高分解能でのタンパク質構造の推定に用いられるようになってきた。この方法により、ウイルスの被覆タンパク質やアミロイド繊維など巨大なタンパク質複合体の構造の研究も可能になるのではないかと期待されている。 分解能別のタンパク質構造の見え方分解能(Å)構造の有意性>4.0 個々の原子の座標を議論することは無意味である。 3.0 - 4.0 フォールドはほぼ精確であるが、エラーも多い。 2.5 - 3.0 フォールドは精確であるが、表面のいくつかのループの位置にエラーがある。長細い側鎖や小さい側鎖はエラーになりやすい。 2.0 - 2.5 側鎖の位置のエラーはかなり少ないが、いくつかの微小なエラーはやはり見られる。フォールドはかなり精確で、表面のループのエラーも少ない。水分子や小さなリガンドも可視化される。 1.5 - 2.0 いくつかの残基の位置のエラーがあり、やはりいくつかの微小なエラーも残る。フォールドには、表面のループに至るまでエラーはほとんどない。 0.5 - 1.5 構造的なエラーはほとんどない。ライブラリーの作成に使われるレベルである。
※この「構造決定法」の解説は、「タンパク質構造」の解説の一部です。
「構造決定法」を含む「タンパク質構造」の記事については、「タンパク質構造」の概要を参照ください。
- 構造決定法のページへのリンク