楽器史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 18:42 UTC 版)
「21世紀のクラシック音楽」の記事における「楽器史」の解説
21世紀は楽器製造や楽器演奏もまた大きく既存の美学を揺るがした。東西冷戦が終結したことによりチェコの老舗メーカーペトロフが新たに復活した。20世紀にはスタインウェイ社内ですらグランドピアノの交差弦を主張し続けたのに対し、21世紀に入ると、並行弦に戻したグランドピアノのリニューアルをクリス・マーネが提唱。こうしてマーネはユトレヒト・リスト国際ピアノコンクールの公式ピアノにまで上り詰めた。ショパン国際ピアノコンクールでは優勝者ブルース・シャオユー・リウがファツィオリを使用し、スタインウェイ一強を崩すのに大きく貢献した。チャイコフスキー国際コンクールでは「長江」を弾いたアン・チャンズーが第4位を受賞し、中国の楽器製造のイメージを大きく塗り替えた。 その他、ピアノを9オクターブにまで拡張したStuart & Sonsや、チェロの5弦化など、細かいところでより良い音を求めるための進化は続いている。一方「モダン化」と呼ばれる現象も極稀であるが見られ、ヘンデルのオルガン協奏曲をグランドピアノで新録音した例もある。セドリック・ペシャは非12平均律によってバッハのフーガの技法を録音し、ロジャー・ウッドワードは古いスタインウェイを改造してバッハの平均律クラヴィーア曲集の全曲を録音するなど、モダン楽器へのアプローチに異なる点が見られている。
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