極地の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 07:22 UTC 版)
「イスラム教における斎戒」の記事における「極地の場合」の解説
極地と斎戒に関して直接には何も語られていない。ただし、斎戒とは恭順者が推定して24時間ごとに行うべきものだと裏付けるアル・マシフ・アド・ダジャルに関する言行録が存在しており、これがサウジアラビア王国の上級学者評議会の見解となっている。 これらの懸念は、極緯度だと夏至の頃に白夜となったり冬至の頃に極夜となることが原因となっている。この自然現象は、地軸が夏に太陽に向かって(冬は太陽から離れて)傾くことで、極が6ヶ月間太陽の光を浴び続ける(逆の6カ月は全く浴びない)ために発生する。最初期はイスラム教徒の大半が極地ではなく太陽が日中頭上にあって夜に日が沈む亜熱帯に住んでいたため、昔のイスラム教徒はこれら現象を経験したことがなかった。 クルアーンは以下のように述べている。 (ラマダーン期間は)白糸と黒糸の見分けられる黎明になるまで食べて飲め。その後は日暮れまで斎戒を全うしなさい。-クルアーン2:187 これだと、斎戒は日中と夜とが生じている場合にだけイスラム教徒の義務であり、それが無いなら斎戒は必要ないという帰結になる。すると、スヴァールバル諸島のイスラム教徒は日中と夜が太陽によって顕著な時にだけ斎戒する必要があることになる。仮にラマダーンが6月や12月(スヴァールバル諸島だと太陽によって日中と夜がはっきりしない時期)に来るなら彼らは斎戒せずに過してよいことになり、後の3月や9月(スヴァールバル諸島だと太陽によって日中と夜が顕著になる)に斎戒を全うできることになる。イスラム法では、それをカーダ (Qadha) と呼んでいる。クルアーンにて、神は以下のように述べている。 後の日に、同じ日数を(斎戒する)。アッラーはあなたがたに易きを求め、困難を求めない。これはあなたがたが定められた期間を全うして、導きに対し、アッラーを讃えるためで、恐らくあなたがたは感謝するであろう。-クルアーン2:185
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