框板、脱落式の空中姿勢安定木製尾翼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 06:08 UTC 版)
「九一式魚雷」の記事における「框板、脱落式の空中姿勢安定木製尾翼」の解説
航空魚雷尾部の金属製安定板は、空気力学的に空中姿勢を安定させる木製尾部安定板(框板)で覆われる。これは1936年に導入された。木製尾部安定板は水中突入時の衝撃で脱落する。単発の艦上雷撃機(九七式艦上攻撃機、艦上攻撃機天山)の場合は、箱型形状の「九七式小型改框板」が使われた。双発の陸上攻撃機(九六式陸上攻撃機、一式陸上攻撃機、キ-67 四式重爆撃機)の雷装の場合は、尾部安定板を延長した十字型形状の「九七式框板」が使われた。空気抵抗は小さく良好だが、機体下部の爆弾倉に空間的余裕が必要になった。陸上攻撃機の雷撃装備の場合、爆弾倉内部の気流を整流するためにもう一枚の板が必要とされた。爆弾倉に巻き込んで入ってくる乱流が投下される魚雷の空中挙動に乱れを生じさせるのを防ぐためだった。1944年以降はより高速、低空での雷撃に対応するため十字型形状で各安定板の面積を増した「四式框板」が採用され、新型の銀河や流星のほか、天山やキ-67などでも九七式框板に替わって用いられた。 魚雷は 160 ノット (300 km/h) 以上の速度で空中に投下され、放物線の軌跡に沿って水面に自由落下していく。空気力学的に設計された木製尾部安定板「框板」は空中の頭上げ下げ運動を安定化し、水面へ突入する軌跡に沿わせる。構造は簡単でよく機能した。
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