格付制定と導入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 18:41 UTC 版)
格付け制定のきっかけはセリ市におけるセリ名簿の基準作成に由来する。 セリ市では、販売者が売りたい馬をよりよく見せようと様々な努力を重ねる。購入者が事前にセリ市における購買予定馬のチェックの資料とするためのせり名簿があり、せり名簿に対しても売りたい馬をよりよく見せたいという販売者の意向が働くのは当然のことであろう。しかしセリ市では公正な市場を構築する必要があり、その中でもセリ名簿の作成基準が必要となった。 そこで国際セリ名簿基準委員会がセリ名簿の作成基準を作ることとなった。セリ名簿はその馬の父や母を含む血統構成やその競走成績を記載する。そこで勝利した競走がどのような競走であるかを格付けする必要が生じたために、この格付け制が用いられることとなった。1971年にはヨーロッパでグループ制が、1973年にはアメリカでグレード制が採用された。このグループ・グレードには互換性がある。 国際セリ名簿基準委員会では世界中の平地競走と障害競走を国際セリ名簿作成基準書に記載している。しかし競馬のレベルは国によって様々であり、従ってその国の競馬のレベルを考慮する必要があった。そこで国をパートI、パートII、パートIIIに分け、その中でパートIの国のグレード・グループのみがセリ名簿に記載できるという作成基準を設けた。パートII以下の国のグレードも国際セリ名簿作成基準書には記載されているものの、国際セリ名簿基準委員会が定める作成基準ではセリ名簿に記載できない。 国際セリ名簿作成基準書は毎年発行されており作成基準では競走が施行された年の国際セリ名簿作成基準書に従って記載しなければならないとされ、後の年でパートの変更およびグレードの変更が行われてもその前の年の競走には反映されない。また障害競走は国に関係なくグレード制と呼称し、パートIVに記載している。
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