束状帯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/28 21:08 UTC 版)
束状帯(羅: zona fasciculata)は、皮質全体の78パーセントを占める比較的厚い層で、細胞は列をなしてまっすぐな索状に並ぶ。細胞は球状帯のそれよりもやや大きく、細胞間接着は主にギャップ結合である。標本を作ると、細胞内に空胞がたくさん見える点が特徴である。この空胞は、細胞内にたくさん脂肪滴があることを示す(標本作成の際に脂肪滴が脱落してしまう)が、この脂肪滴はステロイドホルモンの原料で、ホルモン分泌が盛んである事を示すと考えられている。ただし脂肪滴の量は種差があり、ヒトはハムスターやウシに比べて多い。また細胞内には滑面小胞体が極めて多く、細胞重量の40パーセントから45パーセント程度を占めている。ミトコンドリアも細胞重量の25パーセントから30パーセント程度と多いが、内部構造はやはり種差が大きい。しかし、その理由は不明である。 束状帯からは糖質コルチコイドが分泌される。この糖質コルチコイドは副腎髄質におけるN-メチル転移酵素(ノルアドレナリンをアドレナリンに変換する酵素)の生合成にも必要であり、副腎皮質の洞様毛細血管が副腎髄質の静脈叢に合流するのは、このためである。
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