本物のコミュニケーション状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 15:28 UTC 版)
「神経言語学的アプローチ」の記事における「本物のコミュニケーション状況」の解説
考えなくても自然に口から言葉が出てくるようになるためには、実際にコミュニケーションを行う以外に方法はない。レベルや内容をあらかじめ調整された練習問題を解いたり、会話文を丸暗記したりしても、そのような能力を身につけることはできない(R.Ellis, 1997)。このようなやり方で覚えた言葉は、何よりもまず言葉の形態を強調して宣言的記憶に蓄積されるからである。また「適切転移の原理」(Segalowitz, 2010)により、この種の知識は実際に使われる状況と十分に関連付けられていないために、いざコミュニケーションを行うという段になると、脳がそれを取り出して活用することができないのである。さらに、本当のコミュニケーションだけが、実際に言語獲得が生じるために必要な脳の他のメカニズム(例えばモチベーションに関わるもの)に働きかけることができる(Paradis, 2004)。したがって、ANLでは教室で行われるコミュニケーションはすべて本物である。教師は実際にはあり得ないような質問をすることはなく、生徒の答えも必ず彼らの現実の状況に即したものである。コミュニケーションは常に外国語で行われる。
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