本の序文:第23星雲ヴール
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「本を守護する者」の記事における「本の序文:第23星雲ヴール」の解説
ある日、20年前に消息を絶った研究者カトゥルンが突然帰還を果たし、友人のトラヴィールに、自分は別次元に行って根源悪(旧支配者)を見て来たと語る。20年過ごして、気まぐれ同然に追い出されたものの、口外厳禁と脅迫されており、友人にのみこっそりと話す。2人は二度とそのことについて口にしないでいたが、数年のうちにカトゥルンは、知識を広めなければという思いを抑えきれなくなる。カトゥルンの思いをトラヴィールは理解して止めなかったが、2人は甘かった。 ある日、ヴールムの街に、虚空から「赤みがかった光芒」が降り立つ。そこから現れた「ぬらぬらとした者」によって、街の者全員が、失明し、発狂する。ただ一人カトゥルンだけは絶命し、死体は全身に青い小さな穴が空き、手足は歪んで折れ、両目がなくなり、唇を引き伸ばされ無理やり笑顔を作らされていた。トラヴィールは、遠くからそいつが街に降り立つ様子を目撃し、続いて街の惨状を見て、最後にカトゥルンの死体を発見する。トラヴィールは、彼の原稿全てを回収して、全く別の土地に逃げる。そこでようやくカトゥルンの原稿を読み、戦慄の真実を理解した上で、逃げても無駄だったと悟る。すぐさま「外の存在」に追いつかれ、トラヴィールは、彼らがカトゥルンを返したのはただの戯れであり、自分が読んだのも定められた運命だったと理解する。 トラヴィールは定めに則り、出来事を本に仕立てる。読むなという警告序文を書くことで、あえて無視して読み進めるように仕向けるという、罠を作る。外なるものどもは、本に呪いをかける。読み終わったら、呪いが移り、トラヴィールは解放されるという条件を付与する。
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