有効性とリスク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/19 01:34 UTC 版)
低フォドマップ食事療法は過敏性腸症候群の成人に対し短期的に消化器症状を改善するが、腸内微生物叢とメタボロームに対し悪い影響を与えるため、長期的な実施は悪影響を及ぼすことがある。 そのため、短期間に専門家の助言の下でのみ実施されるべきである。 また小児の過敏性腸症候群に対する有効性を評価するためには、さらなる研究が必要である。 バイアスの影響を受けやすい小規模の研究より、 炎症性腸疾患の機能的症状を改善する治療への有効性を示す、わずかなエビデンスがある。 健康への真の影響を評価するため、低フォドマップ食事療法についてさらなる研究が必要である。 さらに、医学的な助言なしに低フォドマップ食事療法を実施すると、栄養不足、癌のリスク、さらには死亡率など、深刻な健康上のリスクにつながる可能性がある。 低フォドマップ食事療法は、 セリアック病 、炎症性腸疾患および結腸癌などの、過敏性腸症候群と類似した消化器症状を示す重症疾患の消化器症状を改善し、マスクする可能性があると言われている。 正確な診断を受けてから適切な治療を受けられるようにするには、低FODMAPダイエットを始める前に完全な確実な医学的評価を受けることが重要である。 これは特にセリアック病に言える。 低フォドマップ食事療法では、セリアック病の原因であるグルテンの消費が減少または抑制されるため、消化器症状の改善がFODMAP全てのの排除とは関係がない可能性がある。正しい診断と治療がなされないことで、結果的にセリアック病および様々な癌や深刻な健康上の合併症のリスクにつながる可能性がある。 低フォドマップ食事療法はさまざまな栄養素群を厳格に制限するため、長期的に実施することは実用的ではなく、不必要な経済的負担を与える可能性がある。
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