月・太陽までの距離をはかる
ヒッパルコスは巨大な直角三角形をつかい月までの距離を算定した
エラトステネスが地球の半径をはかったのと同じころ、ヒッパルコスは地球の半径をもとにして、月までの距離を計算しました。その方法は、同じ時刻に地上から見て、水平に見える地点と真上に見える地点の2点を設定し、それぞれの地点から地球の中心および月を結ぶ巨大な直角三角形を描きます。この三角形によって地球の半径と月までの距離の比率を求め、月までの距離は地球の半径の59倍としたのです。この数値も、今日の数値にきわめて近いものでありました。
アリスタルコスは太陽までを、月と地球の距離の19倍と算出
さらに同時代のアリスタルコスは、地球から月までの距離をもとに太陽までの距離を計算しました。その方法は、月が半月に見えるときに、月・地球・太陽を結ぶ直角三角形を描き、地球と月および太陽と地球の距離の比率により、地球から太陽までの距離は、地球から月までの19倍と算出しました。今日の算定による数値は400倍ですが、アリスタルコス以前の人々が、太陽は月までの3倍と考えていたことを思えば、かなり精度の高い測定であったといえます。
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