最後野
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/16 13:55 UTC 版)
最後野(さいこうや、area postrema)は菱形窩の最後部、すなわち第四脳室が中心管に移行する部位にあたり、毛細血管が豊富に分布する。毛細血管の多くは内腔が広い洞様毛細血管である。それらの内皮には窓があり、基底膜を隔てて血管周囲腔が存在する。実験的に血管内に投与した色素は、容易に血管周囲腔へ滲み出し、近傍の孤束核まで広がる。最後野の実質には、小型の神経細胞と変形したグリア細胞がある。この部の神経細胞は豊富なグリコゲンと多くの水解小体を含む。最後野のニューロンは視床下部からの下行性の入力のほかに、迷走神経や舌咽神経を介して胸腹部臓器の臓性知覚入力を受け、孤束核や迷走神経背側核に投射する。したがって、血中の情報を経て、主として内臓支配の自律中枢に伝える役割をもつ。一部のニューロンはアミン作動性である。
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