NMO spectrum disorder
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 09:12 UTC 版)
「視神経脊髄炎」の記事における「NMO spectrum disorder」の解説
NMO spectrum disorder(NMOsd)は抗AQP4抗体陽性という共通の免疫病態に対して包括的に定義された概念である。NMOsdでは4つの臨床病型が知られている。NMOでは各実例、空間的限局例(視神経炎もしくは脊髄炎のいずれかをもつ)、他の自己免疫疾患と合併した例、NMOに特徴的な大脳病変(視床下部、脳梁、脳室周囲、脳幹)を有する例に大きく分類される。 NMO確実例 NMOの診断基準をみたすものである。 空間的限局例 抗AQP4抗体陽性で、視神経炎もしくは脊髄炎を単独でもつ例はNMOsdのうち空間的限局例と呼ばれている。 自己免疫疾患を合併した例 NMOsdは全身性自己免疫疾患でみられる自己抗体を認めることが多く、一部の例では臓器特異的、非特異的な自己免疫疾患を併発することがある。 大脳・脳幹病変を伴ったNMOの特徴 抗AQP4抗体症例には大脳や脳幹病変が多いこと、脊髄炎や視神経炎ではなく大脳、脳幹症状で発症する症例が存在することが明らかとなっている。2006年度の視神経脊髄炎の診断基準では大脳や脳幹病変をもつNMOをNMOと診断できずNMOsdとなる。NMOに特徴的な大脳、脳幹部病変は延髄背側最後野周辺の病変に伴う難治性の吃逆や嘔吐、視床下部病変に伴う二次性ナルコレプシー、内分泌異常、PRESに類似した広汎な白質病変、腫瘍様大脳病変、錐体路に沿った脳病変、線状の傍脳室周囲、脳梁病変などが知られている。
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