NMDA型グルタミン酸受容体に対する作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 14:22 UTC 版)
「アカンプロサート」の記事における「NMDA型グルタミン酸受容体に対する作用」の解説
エタノールの中枢神経系に対する他の作用として、NMDA受容体の抑制作用が挙げられる。慢性的にアルコールを乱用するとNMDA受容体が過剰に作られ(アップレギュレーション)てしまう。このため、突然断酒すると正常脳より過多となっているNMDA受容体の活性化が起こることで、振戦譫妄(しんせんせんもう)や興奮性神経細胞死などを起こす原因となっていると考えられている。アルコールの離脱がグルタミン酸のような興奮性神経伝達物質の放出を急激に高め、結果としてNMDA受容体を活性化することになる。アカンプロサートはこのグルタミン酸の急激な上昇を抑制する。in vitroの実験系の結果ではあるが、アカンプロサートはエタノール離脱によって引き起こされる神経細胞死からも神経細胞を保護する効果を示す。エタノール離脱と組み合わせたグルタミン酸の神経毒性に対しても保護効果を示した。 Cedars-Sinai Medical Centerにある、脳研究所から発表されたある研究によれば、アカンプロサートにはヒトでニコチン依存の治療を行う際にも有用性がありそうだと思われる。
※この「NMDA型グルタミン酸受容体に対する作用」の解説は、「アカンプロサート」の解説の一部です。
「NMDA型グルタミン酸受容体に対する作用」を含む「アカンプロサート」の記事については、「アカンプロサート」の概要を参照ください。
- NMDA型グルタミン酸受容体に対する作用のページへのリンク