時計を使用する方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 02:42 UTC 版)
出発地点の時刻に合わせた時計を持って航海に出る。航海中に天体観測により現在位置の時刻が分かれば、出発地と現地の時間差から経度を求められる。 フランドルの天文学者ゲンマ・フリシウスは1530年、持ち運べる時計があれば経度を測定できるとして、この方法を提案した。また英国のウィリアム・カニンガムも1559年に同様の提案をおこなった。しかしこの時代の時計は誤差が大きく、経度を測定するのに必要な精度は持っていなかった。 1656年、クリスティアーン・ホイヘンスは振り子時計を発明し、1658年には、自分の時計を使えば経度が測定できると述べた。ホイヘンスの時計は何度か船に載せられてテストされ、そのうち1664年に行われた試験航海では経度を正しく測定することができた。しかしこの時計が役を果たすのは天候が良い時に限られ、嵐で船が揺れると時計の振幅が乱れて正しく動かなくなってしまった。 ホイヘンスはこの欠点を改良するため、振り子の代わりにひげぜんまい方式を使用した時計を考案した。同じころ、ロバート・フックも同様の発明を行い、両者は特許を求めて争うことになったが、経度測定の点からいえば、両者の時計は共に実用化に適さないものであった。
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