日本語数量詞の文法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/27 04:14 UTC 版)
日本語の名詞的数量詞は、「の」を介して修飾される名詞の前につくこともある(「1枚の紙」)が、そのままで名詞の直後につくこと(「紙1枚」)が多い。 さらに数量詞が修飾される名詞から離れ、独立の文節となって、動詞にかかる副詞のように用いられる。この現象を「数量詞の遊離」といい、これに従う方が自然な文になることが多い。 例: 「4人の男が10本のビールを飲んだ」「男4人がビール10本を飲んだ」→「男が4人、ビールを10本飲んだ」 「5軒の店を回った」「店5軒を回った」→「店を5軒回った」 「5軒の店で飲んだ」「店5軒で飲んだ」を、*「店で5軒飲んだ」とはいえない 「男が4人、ビールを飲んだ」を、*「男がビールを4人飲んだ」とはいえない(他動詞の主語からは切り離せない) 「ビール瓶が1本、店で割れた」→「ビール瓶が店で1本割れた」(非意志動詞または非対格動詞の主語) 「男が4人、店で騒いだ」を、「男が店で4人騒いだ」とは普通いわない(意志動詞または非能格動詞の主語からは切り離しにくい) 「あの3人の男たちが残っていた」または「あの男たち3人が残っていた」は、*「あの男たちが3人残っていた」とは言えない(これはむしろ「あの男たちのうちの3人が残っていた」という意味にとれる)。 「3人の男たちはまもなく入ってきた」または「男たち3人はまもなく入ってきた」は、*「男たちは3人まもなく入ってきた」とは言えない。 これらの被修飾語はいずれも「あの」や話題を表す「は」で特定されている。ただし「は」を話題でなく対比の意味に用いる場合には、「男4人、女3人のうち男は3人入ってきた」といった言い方ができる。また「すべて」「大部分」「一部」など、特定の集合の中での量を表す場合には「あの男たちが一部残っていた」「男たちはまもなく全員入ってきた」と言えるが、これらの例では数量詞で示される部分が未特定である(この文を述べた時点で初めて特定される)。
※この「日本語数量詞の文法」の解説は、「数量詞」の解説の一部です。
「日本語数量詞の文法」を含む「数量詞」の記事については、「数量詞」の概要を参照ください。
- 日本語数量詞の文法のページへのリンク