日本の常識は世界の非常識とは? わかりやすく解説

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日本の常識は世界の非常識

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/03 06:48 UTC 版)

日本の常識は世界の非常識(にほんのじょうしきはせかいのひじょうしき)は、日本流行語、日本と海外の違いを表している。

概要

竹村健一によって生み出された流行語[1][2]

日本ではこれが当たり前であったり悪いことではなかったりする場合でも、それが海外の人にとっては失礼に値することであったり嫌われる原因になったりする場合もあるということである。食事の方法や仕草や行動など日本では何の問題とならないようなことでも、これが海外で行ったならば問題となる場合もあるということである[3]

ビジネスの場では、日本の常識は世界の非常識であるという場合がよくある。名刺交換は日本のビジネスの場では、その行い方までもが企業での研修で細かく指導されるものの、世界では名刺交換は重要なことではない。訪問する場合には日本の企業では複数で訪問をしているものの、世界ではこのようにされては困惑され、基本的には担当者が1人で訪問することになっている。日本ではまず挨拶を行ってそれから用件を伝えるのであるが、これは世界では嫌がられている事柄である。世界ではまず用件を伝えて、それからミーティングを始めるということになっている。日本ではミーティングが行われた際に、その場で結論を出さないで検討をしておくとすることがよくあるのだが、これも世界では嫌がられている。世界では結論はその場で出すものであり、そのためにミーティングを行っているということになっている[4]

医療機関においても日本の常識は世界の非常識である。日本の病院では性善説の立場から、カルテ議事録に押印するハンコというのは、他人が勝手に使ったりすることはないとされている。他人が押印していたとしても代理押印で持ち主が押印したとみなされる形式主義になってる。それが医療機関の国際認証制度では、真っ先にハンコはどのように管理をされているのかを問われ、その上で本人しか使用できないようにするセキュリティーがかかっているかまでも確認する。日本の病院ではポリシーが定められれば病院側はその通りにやってくれていると思うのであるが、国際認証制度はこうではなくポリシーがあってもその通りにはやっていないと考えて、そのポリシーが常に適正に実行されているかまでもチェックされる。このようにして質を保証している[5]

宮家邦彦は日本のジャーナリズムが竹村健一の言う日本の常識は世界の非常識という言葉が当てはまるとする。宮家は首相の記者会見の申し入れを行った際にこのことを痛感させられた。日本のジャーナリズムの常識とされているのは、記者会見では質問は各社で何回までなど制限しない、常任幹事社以外の加盟社などより多く参加させる、司会進行は幹事社がするということになっているのだが、これは世界では違和感があるとする。宮家の知る限りでは、主要国では首脳レベルの要人が1日に2回以上も記者会見に応じている例は日本しか無いとしている。G7諸国で行われている首脳の記者会見はおおむね短時間で、英国では平均5分程度で、フランスドイツイタリアなどはせいぜい30分である。これに対して日本は1時間程度であり、ぶら下がりにも時間を割いている国は日本しかないとしている。記者会見でのやり取りも日本の常識とは大違いであり、欧米諸国では政府側には当然にノーコメントの権利があり、記者が既に出た質問を延々と繰り返していないとのこと。民主主義の国ではコメントをしない権利を認められているのは常識とする[6]

小川和久は、日米安全保障条約が竹村健一の言う日本の常識は世界の非常識がまさに当てはまっているとする。日本の常識というのは、とにかく日本はアメリカに守っていたいており、アメリカに逆らえば日米安全保障条約を切られてアメリカに守ってもらえなくなるということである。湾岸戦争の際には日本はフィリピンの50分の1の価値しかないために、アメリカに逆らえば日本は守ってもらえなくなるが、フィリピンは守ってもらえ続けるだろうとされていた。だが実際はこれとは逆で、日本とはアメリカの同盟国の中では一番大きな戦略的な機能を持っていたのであった[7]

小池百合子は、竹村健一の日本の常識は世界の非常識というところでは、ジャーナリストとしては、いつもいろいろな国の新聞に目を通して、非常に視野が広く、メディアのみならず色々な方向からの切り口で世界を見ており、他国から見た日本はどうであるのかが分かっていることとしていた[8]

脚注

  1. ^ 日本テレビ. “評論家・竹村健一さん(89)死去(2019年7月11日掲載)|日テレNEWS NNN”. 日テレNEWS NNN. 2025年9月2日閲覧。
  2. ^ 産経新聞 (2019年7月11日). “評論家の竹村健一さん死去 正論大賞、電波怪獣の異名 89歳”. 産経新聞:産経ニュース. 2025年9月2日閲覧。
  3. ^ 日本の常識は海外の非常識?日本人が海外でやってはいけない7つのこと | RETRIP[リトリップ]”. RETRIP[リトリップ] - 旅行・おでかけメディア. 2025年9月2日閲覧。
  4. ^ Inc, Shogakukan. “日本の常識は世界の非常識だった!?海外でのミーティングでやってはいけない3つのこと|@DIME アットダイム”. @DIME アットダイム. 2025年9月2日閲覧。
  5. ^ 「日本の常識は海外の非常識」は病院にもある”. 東洋経済オンライン (2019年1月24日). 2025年9月2日閲覧。
  6. ^ 日本の常識は世界の非常識”. キヤノングローバル戦略研究所. 2025年9月2日閲覧。
  7. ^ 第156回国会 憲法調査会安全保障及び国際協力等に関する調査小委員会 第2号(平成15年3月6日(木曜日))”. www.shugiin.go.jp. 2025年9月2日閲覧。
  8. ^ 産経新聞 (2019年7月13日). “【小池知事定例会見録】竹村健一さん死去「大変ショック」(11/15ページ)”. 産経新聞:産経ニュース. 2025年9月2日閲覧。



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