文理解釈の問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 02:16 UTC 版)
文理解釈にも問題はある。先述のように、もしもっぱら通俗的な語のみを法文に用いると、法令が漠然・冗長・不明瞭なものとなり、法的安定性を損ない余計な紛争を招きかねないために、法令の用語は日常用語とは異なり、特有の専門用語も少なくない。また、日常用語に属する語であっても、所有と占有、質と抵当、離婚と離縁のように、通俗的には特に区別されずに用いられていても、法律用語としては明確に区別されている場合も少なくない。そのため、しばしば歴史的沿革に遡って字義を確定しなければならず、言語の多義性・抽象性と相まって、国語的な文理解釈が必ずしも容易かつ明確であるとは言えない。 また、法令を字句のとおり厳格に解釈しようとする傾向は、特に新法実施に伴い発生しやすい現象であるが、かえって具体的妥当性を欠いて当事者の権利を不当に害し、法律の趣旨を損なうおそれがあると指摘されている。論理解釈が必要とされる所以である。
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