敵の駒を取る
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/14 05:47 UTC 版)
競技者は、表になった自分の色の駒で、表になった敵の色の駒を取ることができる。取った駒は盤上から除いて、取られた駒がもといた場所には取った駒が置かれる。 駒には強さの順位があり、帥(将)がもっとも強く、兵(卒)がもっとも弱い。1つの例外をのぞいて、強い駒で弱い駒を取ることはできるが、逆はできない。たとえば、車は馬を取れ、将は車も馬も取れるが、馬で車を取ったり、馬や車で将を取ったりすることはできない。唯一の例外は帥(将)と兵(卒)の場合で、将は卒を取れず、卒は将を取ることができる。この逆転は軍人将棋に似ている。自分と同じ順位の駒は取ることができる。 香港ルールの駒の順位は以下のとおりである: 将、車、馬、炮、士、象、卒。この順位はおおむねシャンチーの駒の価値に対応している(馬と炮のどちらが価値が高いかは議論の余地があるが)。駒を取るときの動きは、単に動かすときと変わらない(上下左右に1マスずつ動く)。 台湾ルールでは、駒の順位は以下のとおりである: 将、士、象、車、馬、卒。この順位はシャンチーの駒の初期配置をもとにしている。ただし車と馬の順位は逆になっている。炮以外の駒では、駒を取るときの動きは単に動かすときと変わらない(上下左右に1マスずつ動く)。炮は特殊で、通常の駒の順位に含まれていない。炮はどの種類の駒も取ることができるが、兵(卒)をのぞく任意の駒から取られる。炮が駒を取るときの動きはシャンチーとおなじで、縦横にいくらでも直進して、中間にあるひとつの駒を飛びこえて取る。炮と取られる駒の間には、中間のひとつの駒以外の駒があってはならない。中間にある駒は敵の駒でも味方の駒であってもかまわないし、表になっていても裏返っていてもかまわない。炮はどんな駒でも取ることができるが、必ず中間に駒がなければならない。したがって、炮はすぐ隣の升目にある駒を取ることができない。 炮で駒を取るルールについては、ほかにもさまざまな変種ルールをつけ加えることができる。 ある変種では、中間の駒がなくても、兵(卒)やほかの炮を直接に炮で取ることができる。いいかえると、炮はほかの駒とおなじようにふるまい、その順位は馬と卒の間にくるが、ほかの駒を飛びこえて取る機能がつけ加えられたものとしてふるまう。 別のよくある変種では、裏返った駒を取ることができる。この場合、裏返った駒が実際に取れる場合には取るが、駒の順位が高くて取れない場合には、その駒を表にするだけで、どの駒も動かさない。 子供向けのよくある変種では、表になった駒でも裏返った駒でも、取ることができるかぎり、1回に複数回駒を取ることができる。 戦略に影響をもたらす可能性のある変種としては、炮は中間駒として裏返った駒を使うことができないが、1回で複数の駒を取れるというものがある。この変種では、炮は裏返った駒を取ることはできない。 大陸ルールは台湾と同様であることが多い。
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