散弾銃と小銃のクイックローダー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/09/27 17:20 UTC 版)
「スピードローダー」の記事における「散弾銃と小銃のクイックローダー」の解説
回転式拳銃用のスピードローダーがさほど一般的でなかった間、チューブ型弾倉用のスピードローダーはクイックローダーと呼称され、長年に渡り、今と同様に速やかな装填能力を提供していた。この種の最も単純なクイックローダーとは、ヘリ打ち式小銃に用いられたもので、前方から装填するチューブ型弾倉を持つ(前床弾倉)。この場合、クイックローダーは単純な筒状であり、一端を密閉してもう一つの端に口をつけたもので、弾倉の装弾数に応じた弾薬を携行した。弾倉へ装填するには、フォロアーを外し、小銃は上へと傾けられ、筒が弾倉の後端へあてがわれてから口が開かれた。重力によってクイックローダーから弾薬が弾倉内部へと入り込み、クイックローダーはしまわれて、フォロアーが元へ戻される。どのような長さであれ、正しい直径の筒または管に、単純なピンを中央に通して口とするようなクイックローダーであれば、この方法が使えた。商業用のヘリ打ち式クイックローダーはしばしば複数の筒を平行に結合し、回転式の口を一つ設けた。これは複数回の再装填ができるものを持ち運べることとなり、平行に並んでいて弾薬の詰められた次の筒へと口を合わせるだけで準備が済んだ。 散弾銃用のスピードローダーはもう少し複雑で、散弾銃の弾倉は銃の尾部から装填されている(床尾弾倉)。散弾銃用のスピードローダーは通常、装填孔の近くへの特別なブラケットの装着を必要とする。多くのモデルでは、機関部内のトリガーグループを保持するピンと交換して装着しており、これは銃の永久的な改造がなくとも簡易に可能である。このブラケットは、弾薬をスピードローダー外部から弾倉内部へ給弾するにあたり、スピードローダーの筒後端を正しい位置へ保持するのに役立つ。スピードローダーの本体は 内部に溝を切ったプラスチックの筒で構成され、一つのプランジャーが溝に沿って載せられており、弾倉内部へ弾薬を押し込む。装弾数は通常4発から5発であり、散弾銃の実包は70mmの長さを持つ。重力は、弾薬を弾倉のバネの力に対抗しつつ内部へ押し込むような働きには適していない。散弾銃のスピードローダーは、最も一般的には、国際実用射撃連合(ISPC)のような射撃スポーツの、散弾銃競技大会で見られる。
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