政治文学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/02 04:31 UTC 版)
1979年、美麗島事件が発生し台湾の民主化が進行、白色テロの恐怖が過去のものとなり、1986年に戒厳令が解にされ、台湾における政治の自由化という時代が政治文学の成立の前提となっている。代表的な作家としては黄凡(『賴索』)、林双不、張大春(『将軍碑』)が挙げられ、台湾の政治の停滞期から民主化に向けた政治意識の高揚の過程を描き、省籍矛盾、国家意識などの対立、そして台湾の民主化への情熱を描写した作品が発表されている。 政治文学の最高傑作として評価されているのが龍応台の『野火集』である。卓越した手法で無政府主義に近い理念を描く、台湾の自力救済の潮流を生み出すと同時に、台湾社会の逸脱を提唱するものであった。社会逸脱はその後の政治文学に於ける代表的な描写方式となっている。
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