政府紙幣と固定割引
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/17 06:02 UTC 版)
「スウェーデン国立銀行」の記事における「政府紙幣と固定割引」の解説
グスタフ3世 によるクーデターの後、銀行の経営は諸階級の手を離れ、財務大臣に指揮されるようになった。貸出業務は重く見られなくなり、為替業務が主体となった。1776年末に大臣は兌換システムを変えた。つまり、翌年から銀兌換とするが、それまでに兌換できた銅の価値に比して半分に留めるとした。1779年には最低準備率75%が法定された。この年の議会で、上位3階級から3年ごとに選ばれる監査役が同行の健全性を調べることに決まった。 第一次ロシア・スウェーデン戦争が起きても貸出は極少であった。議会は国債庁を新設して国債を発行させたが、ほどなく無利子の政府紙幣に化けた。それだけに広く用いられたが、不換紙幣であるために銀貨や兌換券に対しては必ず割り引かれた。この兌換券に不換紙幣の混ざった経済は大いに混乱した。そこで諸階級銀行は政府紙幣をdalerにして一律2/3に減じ兌換券に替えた。固定割引率は政府紙幣の出るたびに適用された。 第二次ロシア・スウェーデン戦争でも貸出限度を設けたが、ついに兌換停止に陥った。1830年に兌換システムが変更された。銀行券はdalerにして3/8に割り引いて銀貨に兌換することになり、4年後に実施された。なお、ここまでの歴史で割引が何度も行われているが、割引政策による為替相場への影響はいまだ知られていなかった。 1824年に諸階級銀行は最初の支店を開設し、まもなくスウェーデンの全ての県に支店が設置された。 1830年代に民間銀行制度が整った。闇で営まれていた商業銀行が認められたのであるが、準備率の分子に自己保有の銀貨に加えて諸階級銀行への預金も組み入れてよいという制度でもあったので、諸階級銀行は「準備金」を集める立場となった。
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