放射性ストロンチウムの体外排泄
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「ストロンチウム」の記事における「放射性ストロンチウムの体外排泄」の解説
1960年代、米ソを中心に大気圏内の核実験が盛んに行われた。これに伴い、体内に取り込まれた放射性物質の除去剤や排泄促進法に関する研究も数多く行われている。放射性ストロンチウムは生体内ではカルシウムと同じような挙動をとる。IAEA(国際原子力機関)は放射性ストロンチウムを大量に摂取した場合、アルギン酸の投与を考慮するように勧告している。アルギン酸は褐藻類の細胞間を充填する粘質多糖で、カルシウムよりもストロンチウムに対する親和性が高いことが知られている。ヒトにアルギン酸を経口投与してから放射性ストロンチウムを投与すると、投与していない場合と比べて体内残留量が約.mw-parser-output .frac{white-space:nowrap}.mw-parser-output .frac .num,.mw-parser-output .frac .den{font-size:80%;line-height:0;vertical-align:super}.mw-parser-output .frac .den{vertical-align:sub}.mw-parser-output .sr-only{border:0;clip:rect(0,0,0,0);height:1px;margin:-1px;overflow:hidden;padding:0;position:absolute;width:1px}1⁄8になることが報告されている。また動物実験でも同様の効果があることが確かめられている。
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放射性ストロンチウムの体外排泄
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「アルギン酸」の記事における「放射性ストロンチウムの体外排泄」の解説
アルギン酸を形成するウロン酸は、1ユニットに1つカルボキシル基を備えている。カルボキシル基はイオン交換能が高く、周辺のカチオンと容易に結びつき、塩を作る性質がある。また、多価カチオンの場合は複数のカルボキシル基が架橋構造をとり、錯体を形成する。アルギン酸はカルシウム (Ca) との親和性が高いことが知られているが、カルシウムと似た挙動をとるストロンチウム (Sr) とも同様に錯体をつくり、不溶性の塩となる。この性質を利用して、消化管内に取り込まれた放射性Srの体外排泄に関する研究が数多く行われ、ヒトでの実験においても、顕著な効果が認められている。 Hespらは、アルギン酸ナトリウム10gを飲用し、20分後に85Srを飲むと、体内残留率が1/8になることを報告している。また、西村らは、ラットを用いた動物実験において、アルギン酸をあらかじめ10日間投与して予備飼育した後に85Srを投与すると、85Srの体内残留率が顕著に減少することを見出した。さらに、アルギン酸の予備投与期間が長いほど85Srの体内残留率が低くなることから、アルギン酸を日常的に摂取しておくことで、放射性ストロンチウムの体内取り込みを低減させる、防護剤としての役割を果たせることを示唆している。
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