握力
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/20 00:05 UTC 版)
握力(あくりょく)とは、主に物を握るときの手の力。前腕屈筋群の等尺性の最大筋力の値であり、上肢筋力を評価する代表的な指標である[1]。
ヒトの握力
握力は身体各部位の筋力測定値と相関があるとされ、上肢や手指筋力だけでなく、全身の筋力や体力の指標としても用いられる[2]。また、握力と疾患(疾病)にも相関性があるとされ、疾患(疾病)リスクの指標にもなっている[2]。高齢者のフレイルやサルコペニアの評価の基準にも採用されている[3]。握力の低下は、約10年後の認知機能低下の兆候でもあり、一般の人々が想像するよりもはるかに重要である[4]。
スポーツ分野では、ボール等による投球動作、バットやラケット、クラブなどの打球動作、格闘技での相手の保持、器械体操の鉄棒などの把握にとって重要である[1]。
能動握力と受動握力
- 能動握力
- 自分から能動的に握りしめようとする力のことで、一般の体力測定で測定されるのは能動握力である[6]。握力計には直立位(直立姿勢)で測定するスメドレー式(Smedly型握力計)や座位(座った姿勢)で測定するジェイマー型(Jamer型握力計)がある[2][3]。
- 受動握力
- 握りしめた状態の手が、それを押し開こうとする外的な力に対して抵抗するときの力である[6]。測定には特製の受動握力測定装置が必要である[6]。手を台の上で肘関節を曲げた状態で固定した上で、上腕下部にベルトで筋力計を装着し、握り部のおもりを順次累加して把持不能となったときの総重量で測定する方法がある[5]。
広義の握力
握力をクラッシュ力、ピンチ力、ホールド力、ものを開く力に分ける考え方もある[7]。
動物の平均的な握力
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脚注
- ^ a b “握力(上肢筋力)”. 日本スポーツ振興センター. 2025年9月19日閲覧。
- ^ a b c 永井栄一「握力測定における測定法と測定条件の影響」『保健医療学雑誌』第12巻第1号、保健医療学学会、2021年、75-82頁。
- ^ a b “要介護高齢者に対する地域理学療法のコアアウトカムセット活用マニュアル”. 日本地域理学療法学会. p. 8. 2025年9月19日閲覧。
- ^ Godman, Heidi (2022年9月1日). “Poor handgrip strength in midlife liked to cognitive decline” (英語). Harvard Health. 2022年8月18日閲覧。
- ^ a b 小野三嗣、荻野光男、本間達二「能動握力と受動握力について」『体力科学』第13巻第1号、日本体力医学会、1964年、35-38頁。
- ^ a b c d 宮崎義憲. “続測定アラカルト(IV)能動握力と受動握力を測る”. 労働の科学49巻8号(口絵). 日本地域理学療法学会. 2025年9月19日閲覧。
- ^ a b c d e “運動機能学(4月22日)小レポート”. 京都工芸繊維大学 情報基盤センター. 2025年9月19日閲覧。
関連項目
握力計
「握力計」の例文・使い方・用例・文例
- 握力計という計器
握力計と同じ種類の言葉
- 握力計のページへのリンク