掛け声の意味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 14:57 UTC 版)
かつて日本全国に正月14日の夜、青少年たちが「ホトホト」などと唱えながら家々を訪れ餅や銭などをもらう風習があった。唱え言葉は「ホトホト」の他に「コトコト」「パタパタ」など地域によってバリエーションが見られるが、いずれも戸を叩く音を口で模した擬音語。 伯耆・出雲辺ではホトホトとよんでいました。正月十四日の夜、村内の若者が藁で作った馬・牛の綱、あるいは銭緡の類を持って人家の戸口に立ち、小さな作り声をしてホトホト、ホトホトというのです。そうすると家では盆に餅や銭を載せて、出て来てこれをくれるのです [中略]備中の上房郡などへまいりますと、この同じ小正月の夜の行事をコトコトというそうです。 [中略]このコトコトは戸をたたく音ですが、めいめいも口でそう唱えたようです。ホトホトというのも、もとは戸を叩く音から来たものに相違ありません。村によってはトロヘントロヘンといって戸を叩くところもありますが、それをもまたホトホトと名づけております。トロヘンの意味ははっきりとはわかりませんが、広島県北部の山村では、またトロベイトロベイといってきました。人によってはトノベイとも申しますから、あるいは他の地方でトヘというものと同じかもしれませぬ。 [中略]この風習は山口県全部にわたっておりまして、古くからこれをトヘといったことは、長門大津郡日置村の八幡社の、享祿四年の社役注文にも、「一、二斗、正月十四日とへい、社家ことごとく参籠仕候」などあるを見てもわかります。 — 柳田國男『小さき者の声』「神に代わりて来たる 一」 前項引用の参考文献曰く「ホロロン」はかつては「ホロロホロロ」と唱えられており、「ホトホト」との音の近さから戸を叩く音を口で模した擬音語のバリエーションではないかと推測できる。
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