指数関数と三角関数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 07:48 UTC 版)
「オイラーの公式」の記事における「指数関数と三角関数」の解説
実関数としての指数関数 ex, 三角関数 cos x, sin x をそれぞれマクローリン展開すると e x = ∑ n = 0 ∞ x n n ! ( x ∈ R ) {\displaystyle e^{x}=\textstyle \sum \limits _{n=0}^{\infty }{\dfrac {x^{n}}{n!}}\quad (x\in \mathbb {R} )} (1) cos x = ∑ n = 0 ∞ ( − 1 ) n ( 2 n ) ! x 2 n ( x ∈ R ) {\displaystyle \cos x=\textstyle \sum \limits _{n=0}^{\infty }{\dfrac {(-1)^{n}}{(2n)!}}\,x^{2n}\quad (x\in \mathbb {R} )} (2) sin x = ∑ n = 0 ∞ ( − 1 ) n ( 2 n + 1 ) ! x 2 n + 1 ( x ∈ R ) {\displaystyle \sin x=\textstyle \sum \limits _{n=0}^{\infty }{\dfrac {(-1)^{n}}{(2n+1)!}}\,x^{2n+1}\quad (x\in \mathbb {R} )} (3) となる。これらの冪級数の収束半径が ∞ であることは、ダランベールの収束判定法によって確認することができる。従ってこれらの級数は、変数 x を複素数全体に拡張することができ、広義一様収束する。つまりこれらの級数によって表される関数は整関数である。解析接続すると、一致の定理より、複素数全体での正則関数としての拡張は一意であり、この収束冪級数で表される。 ここで、 ex の x を ix に置き換え、eix の冪級数が絶対収束することより級数の項の順序は任意に交換可能であることを考慮すれば e i x = ∑ n = 0 ∞ i n n ! x n = ∑ n = 0 ∞ i 2 n ( 2 n ) ! x 2 n + ∑ n = 0 ∞ i 2 n + 1 ( 2 n + 1 ) ! x 2 n + 1 = ∑ n = 0 ∞ ( − 1 ) n ( 2 n ) ! x 2 n + i ∑ n = 0 ∞ ( − 1 ) n ( 2 n + 1 ) ! x 2 n + 1 = cos x + i sin x {\displaystyle {\begin{aligned}e^{ix}&=\textstyle \sum \limits _{n=0}^{\infty }{\dfrac {i^{n}}{n!}}x^{n}\\&=\textstyle \sum \limits _{n=0}^{\infty }{\dfrac {i^{2n}}{(2n)!}}x^{2n}+\sum \limits _{n=0}^{\infty }{\dfrac {i^{2n+1}}{(2n+1)!}}x^{2n+1}\\&=\textstyle \sum \limits _{n=0}^{\infty }{\dfrac {(-1)^{n}}{(2n)!}}x^{2n}+i\sum \limits _{n=0}^{\infty }{\dfrac {(-1)^{n}}{(2n+1)!}}x^{2n+1}\\&=\cos x+i\sin x\end{aligned}}} が得られる。 この公式は、歴史的には全く起源の異なる指数関数と三角関数が、複素数の世界では密接に結びついていることを表している。例えば、三角関数の加法定理は、指数法則 eaeb = ea+bに対応していることが分かる。 オイラーの公式により、三角関数を複素指数関数で表すことができる。余弦関数、正弦関数は cos z = e i z + e − i z 2 , sin z = e i z − e − i z 2 i {\displaystyle {\begin{aligned}\cos z&={\frac {e^{iz}+e^{-iz}}{2}},\\\sin z&={\frac {e^{iz}-e^{-iz}}{2i}}\end{aligned}}} となる。
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