指数が素数の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 07:38 UTC 版)
この等式は、特定の条件下で成り立つこともある。 pが素数で、xとyが標数pの可換環の元である場合、等式 (x + y)p = xp + yp は成立する。これは二項係数の素因数の内の素数について調べることで証明される。n番目の二項係数は ( p n ) = p ! n ! ( p − n ) ! . {\displaystyle {\binom {p}{n}}={\frac {p!}{n!(p-n)!}}.} で表される。分子はpの階乗であるから、pで割り切れる。また、0 < n < pであること、pは素数であり、nのすべての素因数はpよりも小さいことから、n!と(p - n)!はともにpと互いに素であると言える。加えて二項係数は常に整数であるから、n番目の係数はpで常に割り切れ、したがって環において0となる。したがって展開した最初と最後の項である1が残り、与式を得る。 したがって、標数pの環において「一年生の夢」は正しい。このことから、p乗することによってフロベニウス自己準同型として知られる形の自己準同型が生成されることがわかる。 ここで標数pが素数であることがこの「一年生の夢」定理の成立に必要である。関連する定理として、pが素数ならば、多項式環 Z p [ x ] {\displaystyle \mathbb {Z} _{p}[x]} において (x + 1)p ≡ xp + 1 であるというものがある。この定理は、現代の素数判定における重要な役割を果たしている。
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