戦争における焦土作戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 04:48 UTC 版)
撤退する場合に敵方に利用価値のあるものを残さないことは戦術・戦略上の要諦であり、対象物が軍事施設だけに限定される場合などは焦土作戦とは呼ばない。焦土作戦と呼ぶ場合には民間人の家屋や田畑はおろか、町そのものや自然の山林まで焼き払うことである。 森林や木造家屋などの燃料になりえる可燃物が全て燃やされてしまえば、その場所に駐屯する部隊は日常の炊事のための燃料すら他の場所から運ばなければならず、食料があっても炊事が出来ない状態となり食事に不自由するようになる。特にロシア、スウェーデン、フィンランドなどの水が凍結するような寒冷地では、燃料が欠乏していることは凍死に直面するだけでなく、水すら満足に飲めないことになる。このため、ロシアなどの寒冷地域で焦土作戦が行われると敵軍は極めて深刻な事態に陥る。また、家屋がまったく無ければ寒冷地で長期間の野宿を強要されることになり、寒さによって大量の犠牲者を出すことになる。このため、焦土作戦が最大限の効果を発揮するのは寒冷地域や乾燥地帯など食料・燃料が比較的乏しい地域であり、自然林の豊富な熱帯地域では回復力があるためにあまり効果がない。 メリットとしては食糧などを持ち去って建物に火をつけて立ち去るだけなので作戦は短時間で済むこと、防御側の被害は大きくはならないことなど。デメリットとしては攻撃側を撃退した後に焼いた場所で防御軍も過ごさないと再度侵攻されたりもすることや焼いた建造物の再建に費用がかかってしまうことなどがある。
※この「戦争における焦土作戦」の解説は、「焦土作戦」の解説の一部です。
「戦争における焦土作戦」を含む「焦土作戦」の記事については、「焦土作戦」の概要を参照ください。
- 戦争における焦土作戦のページへのリンク