成立と刊行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 02:30 UTC 版)
本書には刊記の異なる数種類の刊本が確認されている。「夕顔」巻末には1853年(嘉永6年)との記述があり、このころまでにこのあたりの部分まで書きためられていたと見られる。総論の序文によれば、1854年(嘉永7年)正月3日に萩原の持病(当時としては命に関わる可能性もある病気であった脚気)が悪化したため、それまで書きためていた分を出版したとされる。それから6年後の1861年(文久元年)9月に、萩原によって本書の補違にあたる『源氏物語余釈』全2巻が刊行されたため、現在では通常この『余釈』を含めた14巻全体を『源氏物語評釈』としている。ただし、その部分がどの時点で出版されたのかについては、部分的に不明なところがある。本書出版にかかわる荻原自身をはじめとする関係者の手紙がいくつか残っており、それによると本書の出版までには様々な紆余曲折が存在したことが推測出来る。なお、「葵」巻以後残りの分は公にされないまま萩原が死去したため、未完である。
※この「成立と刊行」の解説は、「源氏物語評釈」の解説の一部です。
「成立と刊行」を含む「源氏物語評釈」の記事については、「源氏物語評釈」の概要を参照ください。
- 成立と刊行のページへのリンク