性能と限界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/26 07:56 UTC 版)
MMXは元々、一般的なアプリケーションにおいて常用される事の少ない浮動小数点演算のレジスタの有効利用の観点から発想された。x87命令とMMX命令とを混在させる場合、最初のMMX命令の実行時に必要な初期化が自動で行われるが、その後でまたx87命令を実行する場合、その前にEMMS命令を実行して状態をクリアする必要がある。EMMS命令はPentiumでは数十サイクルを要した。それぞれの実行における、レジスタの状態は維持や保存はされない。他方、新たに専用レジスタを増やさず既存のx87のレジスタを流用したため、コンテキストスイッチ毎の新設レジスタのセーブなどのオペレーティングシステムのサポートを待つ必要はなかった。 また、MMXによって高速化できるのは整数演算処理に限られ、浮動小数点演算処理を多用する3Dグラフィックス関連の処理能力の向上は期待できない。インテルと競合するAMDは、先んじて浮動小数点演算も扱えるSIMD拡張命令セット3DNow!を発表し、同社のK6-2プロセッサに搭載。インテルはAMDより浮動小数点用のSIMD命令セットの提供に遅れをとった。インテルの浮動小数点SIMD演算による高速化はPentium III以降に搭載されるSSEを待つこととなる。
※この「性能と限界」の解説は、「MMX」の解説の一部です。
「性能と限界」を含む「MMX」の記事については、「MMX」の概要を参照ください。
- 性能と限界のページへのリンク