応力拡大係数の各モード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/06 07:12 UTC 版)
「応力拡大係数」の記事における「応力拡大係数の各モード」の解説
き裂材に負荷される荷重はき裂に垂直な荷重だけとは限らないので、き裂の変形様式(モード)は次のような独立な3つモードが存在する。 面内開口形(モードI ) 面内せん断形(モードII ) 面外せん断形(モードIII ) ここで言う面内、あるいは面外とは、き裂進展方向にx軸を、き裂面に垂直にy軸を設定した時の、x-y平面を基準とする呼び方である。き裂の変形はこれら3つあるいはそれぞれの重ね合わせ(混合モード)として表される。応力拡大係数はそれぞれのモードに対し個別に定義され、K I、K II、K III と表記される。上記で説明したパラメータ K は K I に相当する。無限板中の貫通き裂では、それぞれのモードの応力拡大係数は以下のようになる。 K I = σ y y ∞ π a {\displaystyle K_{\rm {I}}=\sigma _{yy}^{\infty }{\sqrt {\pi a}}} … (5) K I I = τ x y ∞ π a {\displaystyle K_{\rm {II}}=\tau _{xy}^{\infty }{\sqrt {\pi a}}} … (6) K I I I = τ y z ∞ π a {\displaystyle K_{\rm {III}}=\tau _{yz}^{\infty }{\sqrt {\pi a}}} … (7) き裂近傍の点 (r , θ) における応力場は、これら3つの荷重モードの重ね合わせであり、一般的な表現では次式で表される。 σ i j ( r , θ ) = ∑ n = I I I I K n f i j , n ( θ ) 2 π r {\displaystyle \sigma _{ij}(r,\theta )=\sum _{n=\mathrm {I} }^{\mathrm {III} }{\frac {K_{n}f_{ij,n}(\theta )}{\sqrt {2\pi r}}}} … (8) ここで、σij (r, θ):応力成分、Kn:モードごとの応力拡大係数、fij, n (θ):モードごとに、き裂先端との相対位置、応力成分によって定まる既知の関数、r:き裂先端からの距離、θ : き裂進展方向と、き裂先端と点 (r , θ) を結んだ線のなす角度である。ただし、応力拡大係数 K に対し特異性を持たない σxx, σzz, τxz は式(8)に含まれない。
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