ジェームス・テイラー (アルバム)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ジェームス・テイラー (アルバム)の意味・解説 

ジェームス・テイラー (アルバム)

(心の旅路 (ジェームス・テイラーのアルバム) から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/16 03:19 UTC 版)

心の旅路
ジェームス・テイラースタジオ・アルバム
録音 1968年7月-10月、トライデント・スタジオ、ロンドン
ジャンル
時間
レーベル アップル
プロデュース ピーター・アッシャー
ジェームス・テイラー アルバム 年表
ジェームス・テイラー
1968年
スウィート・ベイビー・ジェームス
1970年
『ジェームス・テイラー』収録のシングル
  1. 思い出のキャロライナ
    リリース: 1969年2月 (1969-02)
  2. Knocking 'Round the Zoo
    リリース: 1969年
テンプレートを表示

ジェームス・テイラー』(James Taylor、旧邦題『心の旅路』) は1968年12月6日に発売されたアメリカのシンガー・ソングライター、ジェームス・テイラーのセルフタイトルのデビュー・アルバム。 このアルバムはアップル・レコードで初めての英国人以外による録音であり、テイラーにとってはこのレーベルからの唯一のリリースとなった。南アフリカではFirst Album のタイトルで発売された。

背景

アルバムはビートルズが新たに結成したレーベルアップル・レコードA&Rチーフのピーター・アッシャーにプロデュースされた[1]。テイラーはビートルズの『ホワイト・アルバム』のレコーディングと同時期の1968年7月から10月にかけて、ロンドンのトライデント・スタジオでアルバムを録音した[2][3]。トライデントはこの当時、イングランドで最も技術的に先進的なスタジオであり、とても混んでいたので、ビートルズによって予約されたセッション時間の一部がテイラーのアルバムの録音に使用された。ポール・マッカートニーとピーター・アッシャーがアレンジャーのリチャード・アンソニー・ヒューソンを何曲かにオーケストレーションを加えるために招き、曲と曲との間に珍しい「リンク」パッセージを追加したが、これらの曲は良くても混合的な評価を受けることになった[4][5]

楽曲

注目すべき楽曲としては「彼女の言葉のやさしい響き」、「思い出のキャロライナ」および 「雨の日の男」"Rainy Day Man" などがあげられる。マッカートニーとクレジットにはないがジョージ・ハリスンがそれぞれその歌詞の"holy host of others standing around me"でビートルズに言及している「思い出のキャロライナ」でベースバッキング・ボーカルをでゲスト参加したが、「彼女の言葉のやさしい響き」"Something in the Way She Moves" のタイトルがハリスンに「サムシング」のきっかけを提供した[4][6]。(偶然にも、テイラーはこの曲をコーラスのドミナント・ラインにちなんで "I Feel Fine "と呼ぶつもりだったと言っているが、タイトルはすでにビートルズの曲に取られていた)。テイラーはまた、2枚目のアルバムで画期的なヒットとなるファイアー・アンド・レインの極めて初期のバージョンも録音したが、アッシャーはアルバムに収録しなかった[7]

発売と反応

専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典 評価
オールミュージック [8]
ポピュラー音楽百科事典英語版 [9]
Mojo [10]
MusicHound Rock 3.5/5[11]
ローリング・ストーン (favorable)[5]
Rolling Stone Album Guide [12]
Tom Hull B–[13]

アルバムはアップル・レコードからイギリスでは1968年12月6日に、アメリカでは1969年2月に発売された[14]ローリング・ストーン誌のジョン・ランドーの「このアルバムは長い間吸ってきた新鮮な空気の中でも最もクールなものだ。このアルバムは私をノックアウトする」という非常に好意的なレビューを含めて、評論家の反応は概ね良好だった[5]。レコードの商業的な可能性は、テイラーが薬物中毒で入院していたためにプロモーションができず、売れ行きは芳しくなかった[14]。「思い出のキャロライナ」(B面:"Something Wrong")が1969年2月にイギリスでシングル(APPLE 32)としてリリースされたが、チャートには入らなかった[14]。このシングルはアメリカでは1969年3月にAPPLE 1805としてリリースされたが、118位に届いたにすぎなかった[14]。"Knocking 'Round the Zoo"がB面を"Something's Wrong"としてフランスで発売された(APF 506)[15]

1970年代のアップルからの使用許諾を得る困難さから、テイラーの『グレイテスト・ヒッツ』のためにテイラーは1976年に「思い出のキャロライナ」と「彼女の言葉のやさしい響き」を再録音した。

収録曲

特記あるものを除き、ジェームス・テイラーの作詞作曲。 演奏時間はオリジナルのアップルのLPレコードのラベル記載の数値。

サイド1
  1. "Don't Talk Now" – 2:36
  2. "Something's Wrong" – 3:00
  3. ノッキング・ラウンド・ザ・ズー」"Knocking 'Round the Zoo" – 3:26
  4. "Sunshine Sunshine" – 3:30
  5. "Taking It In" – 3:01
  6. 彼女の言葉のやさしい響き」 "Something in the Way She Moves" – 2:26
Side two
  1. 思い出のキャロライナ」"Carolina in My Mind" – 3:36
  2. "Brighten Your Night With My Day" – 3:05
  3. "Night Owl" – 3:38
  4. "Rainy Day Man" (Taylor, Zach Wiesner) – 3:00
  5. "Circle Round the Sun" (Traditional; arranged by Taylor) – 3:24
  6. "Blues Is Just a Bad Dream" – 3:42
CD bonus tracks (2010 remaster)
  1. "Sunny Skies" (Demo) – 2:12
  2. "Let Me Ride" – 3:57
  3. "Sunshine Sunshine" (Demo) – 2:51
  4. "Carolina in My Mind" (Demo) – 3:06

参加ミュージシャン

脚注

  1. ^ White, Timothy. James Taylor: Long Ago and Far Away, Omnibus Press, 2002, ISBN 0-7119-9193-6. pp. 134–135.
  2. ^ White, Long Ago and Far Away, pp. 136–137.
  3. ^ Lewisohn, Mark (1988). The Beatles: Recording Sessions. Harmony Books. ISBN 0-517-57066-1  p. 146.
  4. ^ a b White, Long Ago and Far Away, pp. 137–140.
  5. ^ a b c Landau, Jon (1969年4月19日). “James Taylor James Taylor > Album Review”. Rolling Stone (31). オリジナルの2007年6月2日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20070602164839/http://www.rollingstone.com/artists/jamestaylor/albums/album/113822/review/5945820/james_taylor 2015年4月20日閲覧。 
  6. ^ Cross, Craig (2004年). “Beatles songs – S”. 2004年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2004年6月3日閲覧。
  7. ^ According to the liner notes on Apple's reissue of this album.
  8. ^ Planer, Lindsay. ジェームス・テイラー - オールミュージック. 2004年10月2日閲覧。
  9. ^ Larkin, Colin (2007). Encyclopedia of Popular Music (4th ed.). Oxford University Press. ISBN 978-0195313734 
  10. ^ Harris, John (2010年11月). “Strange Fruit: Various, Original Apple albums, 1969–73”. Mojo: p. 117 
  11. ^ Graff, Gary; Durchholz, Daniel (eds) (1999). MusicHound Rock: The Essential Album Guide. Farmington Hills, MI: Visible Ink Press. p. 1125. ISBN 1-57859-061-2. https://archive.org/details/isbn_9781578590612/page/1125 
  12. ^ Coleman, Mark; Edmonds, Ben (2004). “James Taylor”. In Brackett, Nathan; Hoard, Christian. The New Rolling Stone Album Guide. London: Fireside. pp. 804–805. ISBN 0-7432-0169-8  Portions posted at James Taylor > Album Guide”. rollingstone.com. 2013年1月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年11月6日閲覧。
  13. ^ Hull, Tom (December 2010). “Recycled Goods”. Static Multimedia. http://tomhull.com/ocston/arch/cg/cg10-12.php 2020年7月8日閲覧。. 
  14. ^ a b c d White, Long Ago and Far Away, pp. 142–144.
  15. ^ Knocking 'Round the Zoo”. rateyourmusic.com. 2014年7月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年6月30日閲覧。



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  ジェームス・テイラー (アルバム)のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ジェームス・テイラー (アルバム)」の関連用語

ジェームス・テイラー (アルバム)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ジェームス・テイラー (アルバム)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのジェームス・テイラー (アルバム) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS