形態の進化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 09:22 UTC 版)
化石が多く見つかっている系統の進化速度は、より新しい化石と古い化石の形態を比較することで調べることができる。量的な形態進化の速度は、100万年あたりネイピア数倍(約2.7倍)の変化を1ダーウィンとして定義する。離散的な形態の進化については、いくつかの形質状態を定義して、その変化の回数を数えることで計測できる。分類群の数を利用した進化速度の定義もあり、ある期間におけるある系統がいくつの種(あるいは属などより高次の分類群)に分けられるかによって進化速度を測定する。たとえば、ウマ類の系統は現生のものを除くと、5000万年の間に8属を経過してきたため、約625万年あたり1属の進化速度で進化してきたと計算できる。 進化速度は系統によって大きく異なり、進化速度が非常に遅いために祖先の化石種とほとんど変わらない形態を持つものを生きている化石と呼ぶ。ただし、同じ系統でも進化速度は一定ではない。たとえばハイギョ類は生きている化石として有名であり、確かに中生代以降の進化速度はかなり遅いのだが、古生代においてはむしろ急速に進化していた。また、すべての形質の進化速度が同じ傾向を示すわけでもない。ヒトの系統が脳の大きさに関して他の霊長類、たとえばアイアイに比べて急速な進化を遂げてきたのは明らかだが、同時にアイアイの歯はヒトの歯よりも初期霊長類と比べて違いが大きく、歯の形態に関してはアイアイのほうが進化速度が速かったと考えられる。 形態の進化速度に関わる断続平衡説については、種分化との関連で後ほど取り上げる。
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