強制排気システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 03:49 UTC 版)
「ブラバム・BT46」の記事における「強制排気システム」の解説
マグネシウム合金製の大型ファンはテールエンドに設置され、ギアボックスから抽出した動力で駆動した。メカニズムは複雑で、4セットのクラッチが組み込まれた。また、作動状態をドライバーが確認できるよう、コクピット内に流速計が設置された。 ファンが高速回転するとエンジンカウル上面のダクトから気流が流れ込み、エンジン上部に水平に置かれたラジエターを冷却した。そして(実際の主機能として)エンジン下面から空気を吸い出し、車体と路面の間に負圧を発生させた。外部から空気が流入すると負圧効果が落ちるため、エンジンルームの周囲は路面近くまで箱型のカウルで覆われた。さらにエンジン下面の前後左右に可動式スカートを取り付け、車高の上下動に応じて路面と常に接触するようセッティングした。 ウイングカーはサイドポンツーン内部のベンチュリ構造を通過する気流によって負圧を発生するため、ダウンフォース発生量は車速(=気流の速さ)に依存していた。これに対し、ファンカーは能動的に負圧を生成するため、どの速度域でも安定したダウンフォースを獲得することができ、中低速コーナーではより効果的だった。マレーは「モナコでのラップタイムは10秒縮まっただろう」と推測している。
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