建築学上の定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/06 04:35 UTC 版)
「ペントハウスアパートメント」の記事における「建築学上の定義」の解説
建築学上は、ペントハウスという用語は、ビルの屋上に設けられた、外壁よりも後退した(屋上デッキ全体を占拠しない)構造物を指す(こうした後退をセットバックと呼ぶ)。高層ビルにおいては、エレベーター装置等を収容するメカニカルフロア(mechanical floor)をメカニカルペントハウス(mechanical penthouse)と呼ぶことがある。 ヨーロッパのデザイナーや建築家達は、屋上スペースや外壁から後退した構造物を利用して居住空間を作れることを、昔から認識していた。しかし米国においてこうしたスペースの活用が始まったのは、1920年代初頭である。1923年にニューヨーク市のプラザホテルにセントラルパークを見下ろす屋上区画が開発されることが発表された時、この発表はニュースになった。その後数年間、米国では豪華なペントハウスアパートメントの開発が相次いだ。 プライベートテラスの実装方法として見た場合、セットバックは、張り出しバルコニーに比べて著しく大きく、より保護された屋外空間の確保を可能にする。このような望ましい屋外空間を複数の階に提供するため、集合住宅の複数の上層階をセットバックにして階段状にする場合がある。こうしたテラスはすべてのペントハウスに存在するわけではないが、ペントハウスの望ましい特徴の一つと見なされている。こうしたテラスを複数の区画で分割して使用する場合もあれば、1区画でフロア全体を専有する場合もある。セットバックによって確保されたテラスの代わりに(またはそうしたテラスに加えて)、屋上をプライベート空間として利用できるペントハウスアパートメントも多い。 前述のとおり、「ペントハウスアパートメント」として提供される区画は建築学上の定義を満たさない場合もある。外壁からセットバックしていない単なる最上階の居住区のことであったり、ペントハウスと呼ばれる区画の上にエレベーターの機械室などの本来のペントハウスを備える場合もある。
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