庾黔婁とは? わかりやすく解説

庾黔婁

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/20 10:14 UTC 版)

庾 黔婁(ゆ けんろう、生没年不詳)は、南朝斉からにかけての官僚二十四孝のひとりに挙げられた。は子貞、あるいは貞正。本貫南陽郡新野県。弟は庾於陵庾肩吾

経歴

司徒主簿の庾易の子として生まれた。若くして学問を好み、たびたび『孝経』を講読した。人に対して取り乱すことがなかったため、劉虯や宗測らはかれに感心した。黔婁は荊州主簿を初任とし、平西行参軍に転じた。編県県令として出向し、治績を挙げた。永元初年、孱陵県令に任じられた。県に着任して10日も経たずに、父の庾易が家で病の床についたと聞くと、黔婁はその日のうちに官を棄てて家に帰り、家人を驚かせた。その大便の甘味苦味で病の進行の早さを知ることができると医者に聞くと、黔婁は父の便を取って舐め、その甘く滑らかな味に憂苦に沈んだという。その月の末に庾易が亡くなると、黔婁は礼の規定を超えた喪に服し、墓の傍に廬を立てて住んだ。中興元年(501年)、和帝が即位すると、鎮軍蕭穎冑が手紙を書いて黔婁を起用しようとしたが、黔婁は固辞した。喪が明けると、西台尚書儀曹郎に任じられた。

天監元年(502年)、鄧元起益州刺史となると、黔婁はその下で府長史・巴西梓潼二郡太守をつとめた。天監2年(503年)、劉季連が降伏して成都が平定されると、鄧元起は城中に山積した珍宝を幕僚たちに分配したが、ひとり黔婁だけが一物も取らなかった。鄧元起がこれを叱責すると、黔婁は書物数箱を指定して求めた。ほどなく蜀郡太守に任じられたが、職にあっては清廉質素で、民衆はその統治を喜んだ。天監4年(505年)、鄧元起が成都の獄中で死去すると、かれの部下たちはみな離散していったが、黔婁はひとり鄧元起の通夜を営み、棺を運んで郷里に帰った。建康に召還されて尚書金部郎となり、中軍記室参軍に転じた。本官のまま昭明太子蕭統の侍読をつとめ、殷鈞到洽明山賓らとともに交代で五経の解釈を太子に講義した。散騎侍郎・荊州大中正に転じて、ほどなく死去した。享年は46。

伝記資料


庾黔婁

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/11 00:08 UTC 版)

二十四孝」の記事における「庾黔婁」の解説

庾黔婁(ゆけんろう)は南朝斉の人で、孱陵せんりょう県令になっていたが、着任して10日経たないうちに、胸騒ぎがしてならなくなった。父の庾易の病気かと思い県令辞めて家に帰ると、案の定大病患っていた。庾黔婁が医師病状尋ねると、病人の便を舐めて甘く苦けれ良かろうと言う。庾黔婁は簡単なことだと言って舐めてみると、味が違ったので父の死悟り北斗七星北極星)に身代わりになることを祈り続けた

※この「庾黔婁」の解説は、「二十四孝」の解説の一部です。
「庾黔婁」を含む「二十四孝」の記事については、「二十四孝」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「庾黔婁」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「庾黔婁」の関連用語

1
50% |||||

2
36% |||||

3
34% |||||

4
18% |||||

5
18% |||||

6
18% |||||

7
16% |||||

8
16% |||||

9
16% |||||

10
16% |||||

庾黔婁のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



庾黔婁のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの庾黔婁 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの二十四孝 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS