幹細胞の生着
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/29 13:51 UTC 版)
ドナー細胞の生着は好中球の回復から判断することが一般的である。好中球数500/μLを2~3点連続して超えた場合、その第一点を生着日と判断することが多い。厳密にはキメリズム解析を行い、ドナー由来であるかを確認した方が正確であるが、骨髄非破壊的なミニ移植以外では移植一か月以内に増加してきた好中球はドナー由来と考えて問題はない。移植後に一度も生着しなかった場合一次性生着不全、いったん生着したものの造血能が失われた場合は二次性生着不全という。生着までの日数は幹細胞のソース、ドナーと患者の関係、G-CSF投与の有無、メソトレキセートの投与量などにも依存する。中央値は21日前後と言われている(臍帯血の場合は30日前後)。よってday21に好中球回復の兆候がなければ、骨髄穿刺を行い骨髄系前駆細胞の有無を確認する。前駆細胞が認められなければ、day28に再度、骨髄穿刺し、それどもみとめなけらば再移植の準備をする。 生着時、過剰な炎症性サイトカインの産出により、発熱、皮疹、肺水腫といったGVHD様の症状が認められ、生着症候群といわれる。治療はプレドニゾロン1 mg/kgである。
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