平成17年改正前商法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/31 00:47 UTC 版)
旧商法においては違法配当は無効であると解すのが通説であった。よって会社は違法配当を受けた株主に対し、不当利得を理由としてその配当金の返還を請求できる(民法703条、704条)。また、会社債権者は株主に対して違法配当がされた額を会社へ返還するよう直接請求することが出来る(商法旧会社編290条2項)。しかし、その配当が違法であるか合法であるかを知っている株主は少ない。また、株式を公開している会社では株主が相当数存在するので、個別に返還請求をすることは非現実的である。そこで違法な配当をした取締役は会社に対して違法配当した額を弁済するという責任を負わせている(商法旧会社編266条1項1号、2号)。ここでいう「違法な配当をした取締役」というのは、その配当を決議した取締役会で賛成した取締役、および議事録に異議をとどめなかった取締役を含む(商法旧会社編266条2項、3項)。この規定に従って取締役が会社に弁済をした場合、配当が違法であると知りつつそれを受け取った株主(悪意の株主)に対しては求償することができる(商法旧会社編266条の2)。
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