居角左美濃急戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/15 03:34 UTC 版)
矢倉は長らく居飛車の王道戦法として、タイトル戦含め多くの対局で指されていたが、2015年ごろからコンピュータ将棋を利用した研究により、先手矢倉には後手が速攻で対応することで先手番での勝率が下がりはじめ、しばらくはあまり指されなくなっていく。その原因として挙げられるものに、左美濃に組み居角で急戦をはじめとする急戦矢倉の発展がみられた。特に右四間飛車との組み合わせはアマチュア間では人気の急戦矢倉となっていて非常に攻撃力が高く、愛好者も多くなっていた。 居角で矢倉陣を攻める指し方は、以前から先手▲6六歩(後手△4四歩)を早く突く矢倉の組み方に対して居角・腰掛け銀・右四間飛車・▲2五歩保留型というような構えで第3-2図のようなケースや第3-3図のように矢倉中飛車から先手4筋(後手なら6筋)に飛車を振って指す手法があった。 右四間飛車#対矢倉の右四間飛車も参考。 △後手 なし ▲先手 なし 図は△5二金まで第3-1図 居角左美濃急戦 △後手 なし ▲先手 なし 図は▲6八銀まで第3-2図 居角矢倉崩し蟹囲い型 △後手 歩2 ▲先手 歩 図は▲4九飛まで第3-3図 矢倉中飛車からの変化 対矢倉の居角左美濃は玉を△3一の位置、升田美濃と呼ばれる左美濃に収め、主には腰掛け銀と右四間飛車の形から速攻を仕掛けるのが狙いであるが、場合によっては飛車は居飛車の位置で4筋(後手なら6筋)からまず仕掛け、タイミングを見て飛車先の歩を突く指し方もある。居角の左美濃は矢倉を組むのに比べてスムーズかつ升田美濃(▲7九玉や△3一玉の位置)であっても5筋を突かないので9七角や1三角の筋のラインから反撃されることも防がれているなどが特徴となっており、特に先手矢倉戦に対しての有力手段の一つとなっていく。
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