居合道・抜刀道との相違
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 01:31 UTC 版)
居合道 当初「居合道」は、「剣術/剣道」などに同じく、内容的には「居合術」と同意義の語であり、「術」の高次元的概念としての「道」を意味するものであった。1956年(昭和31年)に全日本居合道連盟刀法が、1969年(昭和44年)に全日本剣道連盟居合が制定されると、こういった連盟が定めた規定の形を演武し、技の正確さで勝敗を決定する現代武道の語として定着していった。しかし、居合道では、居合道連盟(多数あり)に加盟している「居合術」流派が「古流」と称され、前述のような規定形と並行して学ばれることがほとんどであり、試合においても前述の規定形とともに自身の流派の形も披露する。 このように居合道は、思想的・技術的な面からして、居合術との境界が明確には存在しない。そのため、どこの居合道連盟にも加盟せず、試合形式と全く関連を持たない流派を、狭義に「居合術」流派とすることもある。 抜刀道 抜刀道は、試し斬りを競技化した現代武道であり、居合術の別称である「抜刀術」から着想を得た名称と考えられている。ただし、本来居合術と試し斬りは全く異なる分野であり、試し斬りに関しては、決して抜刀すること自体に重要な意味を持っているわけではない。また江戸時代の居合術流派に試し斬りが稽古として積極的に行われていたという記録はなく、両者の融合は、明治時代の戸山流の影響とも言われている。 そもそも剣術や居合術は、「刃が届いてかすりさえすれば良い(戦闘不能にできる)」という捉え方であるため、切り口の良し悪しは二の次であった(ただし居合術では、刃筋を正す素振りの動作が形の中に取り入れられており、その点では試し斬りとも共通点がある)。
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