小式部内侍の歌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 15:48 UTC 版)
ウィキクォートに小式部内侍に関する引用句集があります。 ウィキメディア・コモンズには、小式部内侍に関連するカテゴリがあります。 大江山いく野の道の遠ければ まだふみもみず天の橋立 — 小倉百人一首 この歌は『金葉和歌集』にも収録されているが、そちらは「ふみもまだ見ず」となっており、百人一首とは語順が異なる。 当時、小式部内侍の歌は母が代作しているという噂があったため、四条中納言(藤原定頼)は歌合に歌を詠進することになった小式部内侍に「代作を頼む使者は出しましたか。使者は帰って来ましたか」などとからかったのだが、小式部内侍は即興でこの歌を詠んだ。意味としては「大江山(大枝山)を越えて、近くの生野へと向かう道のりですら行ったことがないので(または、大江山に向かって行く野の道・大江山の前の生野への道が遠くて、大江山の向こうの)、まだ母のいる遠い天の橋立の地を踏んだこともありませんし、母からの手紙もまだ見ていません」であり、「行く野・生野」「文・踏み」の巧みな掛詞を使用しつつ、当意即妙の受け答えが高く評価された。四条中納言もまた小倉百人一首に選ばれているほどの歌人であったが、当時歌を詠まれれば返歌を行うのが礼儀であり習慣であったにもかかわらず、狼狽のあまり返歌も出来ずに立ち去ってしまい恥を掻き、この一件以後小式部内侍の歌人としての名声は高まったという。
※この「小式部内侍の歌」の解説は、「小式部内侍」の解説の一部です。
「小式部内侍の歌」を含む「小式部内侍」の記事については、「小式部内侍」の概要を参照ください。
- 小式部内侍の歌のページへのリンク