小山 ゆうとは? わかりやすく解説

小山ゆう

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/11 09:51 UTC 版)

こやま ゆう
小山 ゆう
本名 大竹 由次
おおたけ よしじ[1]
生誕 (1948-02-20) 1948年2月20日(77歳)
日本静岡県小笠郡菊川町(現・菊川市
職業 漫画家
活動期間 1973年 -
ジャンル 少年漫画青年漫画
代表作 おれは直角
がんばれ元気
お〜い!竜馬』(原作:武田鉄矢
あずみ
受賞 第22回:小学館漫画賞少年少女部門(『がんばれ元気』)
第43回:小学館漫画賞青年一般部門(『あずみ』)
第1回:文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞(『あずみ』)
公式サイト 小山ゆう 公式ホームページ
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小山 ゆう(こやま ゆう、本名:大竹 由次(おおたけ よしじ)[1]、男性[1]1948年2月20日[1] - )は、日本漫画家静岡県小笠郡菊川町(現・菊川市)出身。

人物

代表作は『がんばれ元気』『お〜い!竜馬』『あずみ』など。『がんばれ元気』『おれは直角』『お〜い!竜馬』はテレビアニメ化され、『あずみ』は上戸彩主演で映画化された。

ペンネームの「小山ゆう」は、恩人である小池一夫の「小」、友人の山本又一朗の「山」、そして自身の本名である由次(よしじ)の「ゆう」を組み合わせたものである[2]

略歴

静岡県小笠郡菊川町(現・菊川市)で専業農家の長男として出生。静岡県立島田商業高等学校卒業後、作曲家を目指して上京した[3]。上京まで漫画はほとんど読まず、興味も薄かったという[4]

上京後、新聞広告で見て入ったアニメ制作会社のテレビ動画株式会社でアニメーターのアルバイトを1年ほどする。休憩時間中にさいとう・たかをの『無用ノ牙』の模写をしていたのがきっかけで[5]1968年にさいとう主宰の「さいとう・プロダクション」を紹介され[6][7]アシスタントとして漫画の世界へ入り、漫画家を目指す決意をする[1]。3年半後、さいとうプロの友人だった山本又一朗やまさき拓味と3人でオリオンプロを設立し、キャラクター商品のデザインや挿絵やカットの仕事を請け負うも1年半で廃業。1971年、漫画の仕事をするため、先にさいとうプロを独立していた小池一夫のスタジオシップ(現・小池書院)へ3人で移籍した[8]

1973年、『週刊少年サンデー』に掲載の『おれは直角』でデビュー[1]。ペーソス溢れる作中のギャグ調の描写で人気作となる[9]。同作連載終了後の1976年にスタジオシップを退社[2]

1976年から『週刊少年サンデー』誌上で連載開始した、ボクシング漫画『がんばれ元気』では一転してギャグを使わず、少年の成長物語を描いた[10]。同作は5年間の長期連載作となり、1977年には第22回小学館漫画賞少年少女部門を受賞。そして、1980年に自身初のテレビアニメ化作品になった。このころ、『週刊少年ジャンプ』の西村繁男編集長や本宮ひろ志に見込まれ、手塚賞の審査員を務めたが、引き抜きには応じなかった。

1980年代はディストピアSF漫画『愛がゆく』、スピリチュアル陸上漫画『スプリンター』、青春ファンタジー漫画『チェンジ』などで異彩を放っていたが、『少年ビッグコミック』が青年漫画誌『ヤングサンデー』へリニューアルし、久々に『週刊少年サンデー』で連載した『少年』が不可解な打ち切りになるなど、少年漫画誌の地殻変動を受けたこともあり、1990年代に入ると『ビッグコミック』系の青年漫画誌へホームグラウンドを移していく。

1986年から1996年にかけて、大好きだという坂本龍馬を主人公とした『お〜い!竜馬』を武田鉄矢を原作担当に迎えて連載[11]

1991年には『おれは直角』が、1992年には『お〜い!竜馬』がそれぞれテレビアニメ化された。

1994年から『ビッグコミックスペリオール』誌上で連載開始した『あずみ』は、長年の念願だったというチャンバラの時代劇漫画だった[12]。同作で1998年に、第43回小学館漫画賞青年一般部門と第1回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞[13] を受賞。さらに2003年と2005年には旧友の山本又一朗のプロデュースにより映画化される[14]など、続編も含めてシリーズ合計66巻の大長編となった。

作品リスト

長編

短編

  • ひまわりの日々(1974年10月6日号、『週刊少女コミック』)
  • ワシとタカ(1975年4月25日号、『少年ビッグコミック』)※1、4
  • 元気がゆく!(1975年9月5日号、『週刊少年サンデー増刊号』)※4
  • オッス!直角(第1話)(1976年6月15日号、『週刊少年サンデー増刊号』)※5
  • オッス!直角(第2話)(1976年8月10日号、『週刊少年サンデー増刊号』)※5
  • オッス!直角(第3話)(1976年9月10日号、『週刊少年サンデー増刊号』)※5
  • メーンエベント(1978年1月12日号、『週刊少年サンデー』)※5
  • さよならスーパースター(1982年8月10日号、『少年ビッグコミック増刊号』)※2、4、7
  • ヒゲづらのシンデレラ(1982年11月19日号、『少年ビッグコミック増刊号』)※3、5
  • ぼくの粗大ゴミ(原作:矢島正雄、1983年4月1日号、『少年ビッグコミック増刊号』)※3、4
  • すーぱー勘兵衛(1983年5月20日号、『少年ビッグコミック増刊号』)※6
  • ぐーたらLady(1983年10月21日号、『少年ビッグコミック増刊号』)※5
  • 原宿ストーリー(原作:佐々木守、1985年8月10日号、『週刊少年サンデー増刊号』)※5
  • 海風の街(原作:やまさき十三、1989年4月12日号、『週刊少年サンデー』)※4
  • 殺雷伝(1997年4月12日号、『ビッグコミックオリジナル 新人コミック大賞増刊号』、1973年以前に執筆)※7
  • 目撃者(前編)(1999年6月12日号、『週刊少年サンデー』)※4
  • 目撃者(後編)(1999年6月19日号、『週刊少年サンデー』)※4
  • MY SWEET SUNDAY(2008年4月2日号、『週刊少年サンデー』)
※1 - いざ!竜馬 第2巻(1980年2月5日、小学館)に収録
※2 - 愛がゆく 第12巻(1985年2月5日、小学館)に収録
※3 - チェンジ 第5巻(1988年8月17日、講談社)に収録
※4 - 小山ゆう短編集 1(2005年8月1日、小学館)に収録
※5 - 小山ゆう短編集 2(2005年8月30日、小学館)に収録
※6 - 熱狂 短編マンガ傑作集'83(2006年12月20日、小学館、アンソロジー)に収録
※7 - 漫画家本 vol.13 小山ゆう本(2019年11月4日、小学館)に収録

脚注

  1. ^ a b c d e f 『Fusion Product 創刊号』ふゅーじょんぷろだくと、1981年7月。PP152-153。
  2. ^ a b 宇都宮滋一『「ダメ!」と言われてメガヒット 名作マンガの知られざる制作現場』東邦出版、2003年、p.293
  3. ^ 宇都宮滋一(2003)、pp.271-272
  4. ^ 小山ゆう「特別寄稿」『文藝別冊 KAWADE夢ムック ちばてつや 漫画家生活55周年記念号』河出書房新社、2011年、p.72
  5. ^ 根岸康雄『まんが家インタビュー オレのまんが道(I)』小学館、1989年、p.173
  6. ^ 宇都宮(2003)、pp.272-273
  7. ^ インタビュー・構成木村修「スペシャルインタビュー 小山ゆう」『格闘マンガで強くなる!』アスペクト、1997年、p.12
  8. ^ 宇都宮(2003)、pp.279-283
  9. ^ 根岸(1989)、p.178
  10. ^ 根岸(1989)、p.179
  11. ^ 根岸(1989)、p.180
  12. ^ 宇都宮(2003)、pp.308-310
  13. ^ 第1回 漫画部門 優秀賞”. 文化庁メディア芸術祭 - JAPAN MEDIA ARTS FESTIVAL. 文化庁. 2025年3月14日閲覧。
  14. ^ 宇都宮(2003)、pp.312-315
  15. ^ 小山ゆうが江戸幕府に立ち向かった男を描く新連載「颯汰の国」ビッグコミックで”. コミックナタリー. ナターシャ (2019年2月9日). 2021年9月30日閲覧。
  16. ^ 「最終話 真の自由を求めて」『ビッグコミック』2023年12号、小学館、2023年6月9日、251頁、ASIN B0C678VY87 
  17. ^ 小山ゆうが描くヒストリカルサスペンス「女神の標的」、ビッグコミックで開幕”. コミックナタリー. ナターシャ (2023年11月10日). 2023年11月10日閲覧。

外部リンク


「小山ゆう」の例文・使い方・用例・文例

  • 「あずみ」は小山ゆうのベストセラー・コミックに基づいている。
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